◆第5話:将来の夢
投稿記念一挙5話投稿
本日10話投稿します。
今後は1日2話(朝、晩予定)です。
よろしくお願いします
森での小さな冒険以来、俺とリアンはますます仲良くなった。
剣の遊びをしたり、店の前で走り回ったり、時にはお互いの家でお菓子を食べたり。
そんな日々の中で、リアンはよく未来の話をするようになった。
ある日の夕方。
俺とリアンは店の裏の広場で木の枝を振って遊んでいた。
日が傾き、空がオレンジ色に染まり始めていた。
「ゼロ、わたしね、将来の夢があるんだ」
リアンが枝を肩に担ぎながら言った。
その表情はいつもの元気さとは少し違い、どこか真剣だった。
「夢?」
「うん。わたし、騎士になりたいの!」
リアンは胸を張って言った。
その瞳はまっすぐで、迷いがなかった。
「騎士団に入って、王都で働くの。
そのためには、王都の学院に行かなきゃいけないんだって!」
「学院か……すごい目標だな」
俺は素直にそう思った。
リアンはまだ子どもなのに、もう未来を見据えている。
それに比べて――
(前世から数えたら三十を超えてるのに、俺はなんも考えてないな……)
この世界でどう生きるか、なんとなく流されてきた。
魔法があって、スキルがあって、冒険者もいて。
選択肢はたくさんあるのに、俺はまだ何も決めていない。
リアンは続けた。
「ゼロはどうするの? なりたいものとか、ある?」
「うーん……」
俺は空を見上げた。
夕焼けが広がり、風が少しだけ冷たくなっていた。
(……せっかく転生したんだし)
(前の世界みたいに流されるだけの人生は嫌だな)
リアンが騎士を目指すなら、俺も何か目標を持ちたい。
それなら――
「よし、俺も学院を目指してみるか」
リアンがぱっと顔を上げた。
「えっ、ゼロも学院に行くの!?」
「うん。なんか、楽しそうだし。
それに、リアンが頑張ってるの見てたら、俺も頑張りたくなった」
リアンは嬉しそうに笑った。
その笑顔は、夕日の中でいつもより眩しく見えた。
「ゼロも来るなら楽しみ!
でもね、わたしの方が一つ年上だから、先に行くことになるけど!」
リアンは得意げに笑った。
「一年くらいならすぐ追いつくよ」
「うん! 待ってるからね!」
その言葉に、胸が少し熱くなった。
リアンが待ってくれるなら、頑張れる気がした。
家に帰ると、俺はすぐに両親に言った。
「俺、学院に行きたい」
父は驚いたように目を丸くし、母は優しく微笑んだ。
「ゼロならできるよ」と母。
「金はかかるが……やる気があるなら応援するぞ」と父。
その言葉を聞いた瞬間、胸の奥がじんわりと熱くなった。
こうして、俺の将来の目標が決まった。
リアンと同じ学院を目指すという、初めての大きな一歩だ。
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