◆第44話:朝の集合と、はじめての挑戦
翌朝。爽やかな朝日に包まれた王立学院の正門前。
俺は約束の時間より少し早く到着し、正門のレンガ壁に背を預けていた。
もちろん、頭の上には当然のように黒猫が「すやすや……」と丸くなっている。
「あっ、ゼロ! おはよー!」
「ゼロさん、おはようございます!」
遠くから手を振りながら走ってくる二人。
私服姿のリアンと、昨日イメチェンしてすっかり垢抜けたウーが揃って駆け寄ってきた。
「二人ともおはよう。……よし、時間ぴったりだな」
「えへへ、楽しみで早く起きちゃった! ……って、あれ? 猫ちゃんも一緒?」
リアンが俺の頭の上を指差し、ウーも目を丸くしている。
「あー……今朝も起きようとしたら勝手に頭の上に乗ってきてさ。降ろそうとしても爪を立てて離れないから、諦めてそのまま連れてきた」
「なー(ふぁぁ)」
呑気に大きなあくびをする黒猫。
リアンはくすっと笑うと、黒猫のあごの下を撫でてやった。
「あはは! すっかりゼロの頭がお気に入りなんだねー。ま、今日のところは特に危険な依頼を受けるわけじゃないし、いっか!」
「はいっ、猫ちゃんも一緒なら『ヴォイド・シフル』全員集合ですね!」
ウーが嬉しそうに微笑む。
「よしっ、じゃあ今日の初依頼の作戦を発表します!」
リアンは胸を張り、指を一本立てて不敵に笑った。
「まずは初級冒険者のお約束! 王都近郊での『薬草やその他の素材採集』にしよう! で、もし余裕があったら簡単な魔物討伐もやってみようか。私がついてるから危なくないしね!」
「おぉ……採集と討伐か! いかにも冒険者って感じていいな!」
「うわぁ……私、魔物と戦うなんて初めてです……っ! なんだか緊張してきました……」
ウーが胸の前で手をぎゅっと握りしめ、ドキドキと高鳴る鼓動を抑えるように息を呑んだ。
「大丈夫だよウーちゃん! 私とゼロがついてるんだから、気楽にいこう!」
「応! よし、じゃあまずはギルドで依頼票を選びに行こうか!」
「「おーっ!」」
緊張とワクワクを胸いっぱいに膨らませながら、俺たちは頭の上にマイペースな黒猫を乗せたまま、朝の活気に包まれる冒険者ギルドへと足を進めるのだった。
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