◆第43話:帰り道と、明日の高鳴り
夕暮れ時。オレンジ色に染まる王都の大通りを、俺たちは寮に向かって並んで歩いていた。
「いやー、美味しかったねー!」
リアンがお腹をさすりながら、満足そうに破顔する。
「はいっ! あのスペシャルモンブラン、すっごく最高でした……! 栗の味が濃くて、生クリームもフワフワで……っ!」
ウーも頬をほんのり赤く染めながら、夢心地といった様子で胸の前で手を合わせた。
女の子二人の幸せそうな表情を見るだけでも、カフェに寄った甲斐があったというものだ。
「よしっ、お腹も満たされたところで……明日はどうする? 明日もまだお休みだけど、特訓でもする?」
リアンが二人に問いかける。
「私は特に予定もないですし、ゼロさんやリアン先輩と一緒なら何でも嬉しいです!」
「俺も特に用事はないな。」
俺は頭の上の黒猫をチラリと見上げた。
「あ! じゃあさ、早速明日『ヴォイド・シフル』で冒険者ギルドの依頼受けてみない!?」
リアンが名案を思いついたように、パンと手を打ち鳴らした。
「ゼロとウーちゃんにとっては、冒険者として記念すべき『初めての依頼』になるわけだし! 簡単なFランクの依頼から挑戦してみようよ!」
「おぉ、それいいね!」
俺の目が輝いた。
異世界に来て、冒険者になって、初めて受けるクエスト――。まさに男のロマンであり、王道中の王道イベントだ。
「初依頼……っ! なんだかドキドキしますけど、精一杯頑張ります……っ!」
ウーも期待と緊張が入り混じったような表情で、キュッと小さな拳を握りしめた。
「よし決まり! じゃあ明日は朝イチでギルド集合ね! 最高の初陣にしよう!」
夕日に照らされる三人の影と、頭の上で揺れる黒猫の影。
俺たち『ヴォイド・シフル』の本当の冒険が、いよいよ明日から始まろうとしていた。
【作者からのお願い】
いつもご愛読いただき、本当にありがとうございます!毎日朝と夜の2回更新を続けていこうと思います。
もし「この先も気になる」「毎日の更新を応援してやるか」と思ってくださったら、画面の一番下にある【☆☆☆☆☆】をタップして星を入れていただけたり、ブックマークを登録していただけると、執筆のモチベーションがめちゃくちゃ上がります!
評価は1項目(面白さ・設定)につき星1〜5個で、いつでも気軽に変更できます。「とりあえず星3つ」でも、作者にとっては飛び上がるほど嬉しいです。これからもよろしくお願いします!




