◆第31話:小さな変身と、最高のサプライズ
「ずーっと気になってたんだよ、その髪!」
人混みの中を引きずられていきながら、リアンがウーの髪を振り返って言った。
「せっかく可愛いのに勿体ない!! 今日は絶対美容院行こうって決めてたんだー!」
「ええっ!? び、美容院……っ!? 私、そんな高級なお店行ったことなくて……っ!」
「大丈夫大丈夫! 私の行きつけのプロ腕前のお店があるからさ! ウーちゃんの可愛さを限界突破させてあげる!」
「あわわわっ!?」
◇
――数時間後。王都の最高級サロンの個室にて。
「ふぅ~! しっかりやってもらったから時間かかっちゃったね!」
鏡の前で仕上がりをチェックしながら、リアンが満足そうに腕を組む。
そこに座っていたのは――ボサボサ髪だった影を完全に捨て去った、一人の可憐な少女だった。
乱れていた黒髪はツヤツヤに整えられ、可憐な顔立ちを引き立てるサラリとした美しいショートボブへ。
前髪も綺麗に整えられ、大きな瞳がよりいっそう魅力的に輝いている。
「こ、これが……私…………?」
鏡に映る自分を見つめ、ウーは顔を真っ赤にして両手で頬を押さえた。
「うぅ……恥ずかしいです……でも、なんだか凄いです……っ」
「でしょー! あーもう、ゼロがどんな顔するか楽しみ! 絶対ビックリするぞー!」
「ぜ、ゼロさん……変だって思われないでしょうか……?」
「絶対言われないって! 自信持って!」
リアンはウーの肩をぽんと叩き、店内を見渡した。
「本当は服も新しく買ってあげたかったんだけど、髪に時間かけすぎちゃって時間ないね! お洋服は午後にしよう! ゼロにも選んでもらおうね!」
「はいっ……! ゼロさんに選んでもらえるなら……すごく嬉しいです……!」
ウーの瞳が一気に期待で輝く。
「よしっ! じゃーお待たせしちゃってるし、噴水広場にいこうかね!」
「はいっ、リアン先輩!」
変身を遂げたウーと、大満足のリアン。
二人は手を繋ぎ、待ち合わせ場所である噴水広場へと駆け出していった。
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