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スキル《おやくそく》!?なんじゃそりゃ、でもなぜか主人公補正が止まらない件  作者: にらいかない


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◆第2話:転生者ゼロ

投稿記念一挙5話投稿

本日10話投稿します。

今後は1日2話(朝、晩予定)です。

よろしくお願いします

俺の名前はゼロ。

伯爵領の街にある商店――“ニエンテ商店”の長男として生まれた。

父は太鼓腹で豪快な商人、母はスレンダーで優しい美人。

店はそこそこ繁盛していて、貧しくもなく、裕福すぎることもない。

周囲から見れば、ただの平和な家庭だ。


……だが俺には、誰にも言えない秘密がある。


実は俺、転生者だ。

前の世界では、旧帝大を出て大企業に入り、営業職として働いていた。

毎日終電、休日出勤、数字に追われる日々。

「このままじゃ死ぬな」と思いながらも、働くしかなかった。

そしてある日、本当に死んだ。


営業車で高速道路を走っていたとき、逆走車が突っ込んできた。

ブレーキを踏む暇もなく、視界が白く弾けて――

気づいたら、俺は赤ん坊になっていた。


最初は混乱した。

けれど、泣き声を上げるしかない身体で、周囲の言葉が理解できた。

母の優しい声、父の豪快な笑い声、店の客たちの会話。

全部わかるのに、喋れない。

その違和感でようやく理解した。

(……俺、転生したんだな)


さらに驚いたのは、生まれてすぐに“魔力”を感じたことだ。

胸の奥に、温かい光の粒が流れているような感覚。

前の世界にはなかったものだ。


そして、赤ん坊の頃のある日。

ふと思い浮かべた言葉があった。


(ステータス)


すると、目の前に透明な画面が現れた。

数字や文字が並んでいる。

筋力、魔力、耐久、敏捷……全部赤子レベル。

ただし、スキル欄だけは奇妙だった。


【???】

ユニークスキル枠らしき場所が、ぼんやり光っている。

名前は表示されない。

何かがあるのは確かだが、まだ正体はわからない。


(……これ、絶対ヤバいやつだろ)


そう思いながらも、赤子の俺にできることは少ない。

とりあえず、魔力を少し動かしてみたり、

手足を動かして体幹を鍛えたり、

できる範囲でこっそり修行を始めた。


成長は普通だった。

ただ、精神は30歳のままなので、周囲からは「落ち着いた子」と言われた。

危ない場所には近づかないし、物覚えも早い。

そのせいで、近所の人からは「賢い子だね」と褒められることが多かった。


けれど、俺の人生には“妙な偶然”が多かった。

転びそうになったら誰かが助けてくれる。

森で遊んでいたらレア素材を拾う。

迷子になっても必ず誰かに見つけてもらえる。

まるで物語の主人公みたいな出来事が続いた。


(……これ、スキルのせいじゃないか?)


そう思いながらも、証拠はない。

スキル名がわかるのは十二歳の神託の儀のときだ。

それまでは、ただの平民の少年として過ごすしかない。


けれど――

前の世界よりはずっと楽しい。

魔法があって、スキルがあって、冒険者という職業もある。

働き詰めで死ぬこともない。

家族は優しいし、幼なじみもできた。


(……せっかく記憶持ったまま生まれたんだし)

(前の世界よりは楽しめるかもしれないな)


そう思って、俺はこの世界での人生を歩き始めた。


「ここまでお読みいただきありがとうございます!もし面白い、続きが読みたいと思っていただけたら、ページ下部にある【解説・評価】から評価(★)やブックマークをいただけますと、大きな励みになります!」

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