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スキル《おやくそく》!?なんじゃそりゃ、でもなぜか主人公補正が止まらない件  作者: にらいかない


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18/72

◆第18話:王都学院と、嵐のような再会

今後は1日2話(朝、晩予定)です。

よろしくお願いします

十三歳になった春、俺はついに王都の学院『アルカディア』の門をくぐった。


白亜の石造りの校舎、広大な庭園、そして行き交う生徒たちの豪華な制服。

噂通り、通っている生徒の八割は貴族の子女だ。

すれ違う生徒たちの視線には、どこか選民意識のようなものが感じられる。


「へえ、あいつが今年数少ない平民の入学者か……」

「ユニークスキルらしいが、レア度はFなんだろ?」

「ふん、運だけで受かったような奴だな」


(……さっそくヒソヒソ言われてるな)


だが、前世で厳しい営業職を経験してきた身としては、この程度の視線や陰口など痛くも痒くもない。

むしろ、周囲が自分に期待していない状況というのは、陰で立ち回る斥候としては都合が良いとすら思える。


「さて、まずは指定された大講堂へ向かうか」


案内板を確認しながら、広い敷地を進む。

学科ごとの授業は単位制だが、クラス自体は学科関係なくごちゃ混ぜになっているらしい。

これからの学院生活に思いを馳せていると――


「ゼローーーーーッ!?」


遠くから、甲高い叫び声が響いた。


(ん……? この声は……)


振り返る隙すらなかった。


ドガッ!!


「ぐはっ!?」


猛スピードで突っ込んできた何かが、俺の胸の中にダイブしてきた。

凄まじい衝撃と勢いで、俺はそのまま後ろへ倒れ込む。


「うわぁっ!?」


二人して芝生の上をゴロゴロと転がった。

視界がぐるりと回り、ようやく動きが止まる。


「痛たた……な、なんだ……?」


起き上がろうとすると、俺の上に覆いかぶさっている人物がいた。

整えられた学院の制服、背中には一目で高級品とわかる飾られた剣。

そして、輝くような笑顔。


「ゼロ! ゼロだよね!? ほんとに来たんだ! 待ってたよ!!」


「リ……リアン!?」


一年ぶりに会う幼なじみ――『剣聖』リアンだった。

少し背が伸び、顔立ちも大人っぽくなっているが、無邪気な笑顔と距離感の近さは何ひとつ変わっていない。


リアンは俺の胸に顔をうずめ、ぎゅっと抱きついてくる。


「会いたかった! ずっとずっと待ってたんだから!」


「あ、いや……リアン、みんな見てるから! あと苦しい!」


「えへへ、離さないもん!」


周囲を見渡すと、案の定、大惨事になっていた。


「な、なんだあの男は……!?」

「あの『剣聖』リアン様が……男に抱きついている……!?」

「あいつ、さっきのFランクの平民だぞ!?」

「あり得ん……! あんな平民にリアン様が……!」


周囲の貴族生徒たちが、目を見開いて固まっている。

中には殺気立つような視線を向けてくる男子生徒もいた。


(……はい、出ました“お約束”)


再会早々、目立ちたくない俺の思惑とは真逆の展開。

超有名人のヒソヒソ・嫉妬の視線を一身に浴びるこの状況。


俺の胸の奥で、スキル《おやくそく》がドヤ顔で頷いている気がした。


「リアン、とりあえず起きてくれ……」


「むー、一年ぶりなのに冷たい!」


不満そうに頬を膨らませるリアンを見て、俺は思わず苦笑した。


(まあ……無事に再会できたし、よしとするか)


波乱の予感しかしない俺の学院生活が、こうして幕を開けた。


「ここまでお読みいただきありがとうございます!もし面白い、続きが読みたいと思っていただけたら、ページ下部にある【解説・評価】から評価(★)やブックマークをいただけますと、大きな励みになります!」

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