◆第17話:リアンへの手紙
今後は1日2話(朝、晩予定)です。
よろしくお願いします
試験から数日後。
学院からの封筒が家に届いた。
母が震える手で封を開け、父が身を乗り出す。
俺は息を飲んで見守った。
「ゼロ……合格だ!」
母が声を上げ、父が笑った。
「やったな、ゼロ!」
「ほんとに……ほんとに頑張ったね!」
ふたりが喜んでくれているのを見て、胸が熱くなる。
(よかった……)
でも同時に、俺は思った。
(リアンにも伝えたい)
試験のこと。
道中で起きた“おやくそく”。
試験中の偶然。
そして――合格したこと。
俺は机に向かい、紙とペンを取り出した。
---
### ■リアンへの手紙
ペンを走らせる。
――――――――――
リアンへ
元気にしてる?
学院の生活、どうだ?
この前、王都で学院の事前試験を受けてきたよ。
道中で、また“偶然”が起きたんだ。
道に落ちてた木箱の横に、試験のポイントが書かれた冊子があってさ。
おかげで試験の内容がすごくわかりやすかった。
試験中も、一本橋を渡るときに風が吹いて、
落ちそうだったのに体勢が戻ったんだ。
あれもたぶん……俺のスキル《おやくそく》の影響だと思う。
結果は――合格だったよ。
学院に入るための直接的な力じゃないけど、
俺は俺のスキルで頑張るつもりだ。
来年、絶対にそっちへ行く。
また一緒に剣の練習したいな。
ゼロより
――――――――――
書き終えた手紙を封筒に入れ、そっと封を閉じた。
(よし……届けてもらおう)
父に頼んで、王都行きの使者へ託す。
窓の外を見ると、季節が少しだけ変わり始めていた。
風が冷たくなり、空が高くなっていく。
俺は深呼吸した。
(来年、学院へ行く。絶対に)
そして――時は流れた。
「ここまでお読みいただきありがとうございます!もし面白い、続きが読みたいと思っていただけたら、ページ下部にある【解説・評価】から評価(★)やブックマークをいただけますと、大きな励みになります!」




