最高?な師匠を手に入れた
「そういえば、リスタはこの森を出た後何するの?」
リスタというのは、この人が私につけた愛称だ。結構響きがかわいくて気に入っている。
「ここを出たら、夢を叶えるために旅に出ようかなと」
「大丈夫?ここら一帯実は結構危ないよ?ヴィルトベアなんてただの熊同然だよ?」
え。ここら辺ってそんなに危ないところだったの?戦うすべなんて当然もってない。
英雄になりたいなら強くなくちゃいけないよね。どうやって強くなればいいんだろう?
どこかの国で名のある剣士や魔法使いに弟子入りする?
いや、そんな人たちに都合よく弟子入りなんてできるわけない。あぁ、頭痛くなってきた。
いったいどうすれば……
ーーあ、そういえばいた。目の前に。魔法が使える知り合った人。
「まぁでもここら辺からは出してあげられるし、旅ならどうとでもーー」
「あ、あの……!」
「ん、どうかした?」
「私弱いのでここから出られませんし、私の夢は強くないと叶えるのが難しいので……」
「……何が言いたいの」
「あ、あなたに弟子にしてもらえたりってしまーー」
「やだ。絶対に嫌だ」
即答。早すぎて開いた口が塞がらなかった。
そりゃそうですよねぇ。こんな面倒くさそうなことをこの人がしてくれるなんて、天地がひっくり返ってもありえないよねぇ……。
「そうですよねぇ……。変なこと言ってしまってすみません」
「……夢のため夢のためって言ってるけど、そういえばリスタの夢って何なの?」
「私、英雄になってみたいんです。歴史に名前が残るような英雄に」
「童話になったり?」
「そうです。なんでなりたいのか、その始めは忘れてしまいましたが。
でも、夢の内容を忘れていないということは、きっと私にとって大切な思いがあったんだと思うんです。だから、英雄を目指しているんです」
「……ふぅん」
私がそう話すと、目の前の少女はそう言って顎に手を当て、何かを悩み始めた。どうしてかは分からないけれど。
少女は「うぅん……」とか言って、頭をブンブン振ったりして悩んでいる。少し怖い。
っと、答えが出たのか少女は悩むことをやめた。物凄~く気が進まなさそうな顔をして私に言った。
「わ……私ぃ、でよければ……リスタを鍛えてあげよう……か?」
その言葉を聞いて私は目を見開いた。面倒くさいと思うことは一切しないこの人が、私を鍛えてあげようか?と言っている。ありえない。ありえない。が、確かにこの耳で聞いた。この人の気持ちを考えるなら、少しかわいそうだし断るべきなのかもしれない。しかし、こんなチャンスは二度とないだろう。
なら、私はこう言おう。
「よろしくお願いします!」
「……はい。」
少し小さい声で少女はそう言う。
案の定気分が落ちている。すごく分かりやすい人だなぁ。でも、今日からこの調子なのも困るかも。
仕方ない。この人が好きそうなことでも言って、調子を戻してもらおうかな。
そして私はこう言う。
「今日から師匠って呼んでもいいですか?」
師匠という言葉を聞くと、師匠は少し口角を上げて、にやっとした。そして、その言葉を聞いて気分が良くなったのか調子よく話し始める。
「しょ、しょうがないなぁ。そんなに言うならそう呼んでもいいよ?私の”弟子”になるんだから、うんとカッコイイ英雄になってよ?」
「当たり前です!こんなにいい師匠に鍛えて頂けるんですから、世界が憧れるような英雄になってみせます」
「なら良し」
「ふふっ」
「あはははっ!」
師匠とそんなくさい会話をして笑いあう。
今日から、師匠と弟子の関係が始まった。
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「で、師匠はどんな魔法が使えるんですか?」
「使えないけど?」
……え?




