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元大賢者、転生してレベル1からダンジョン配信  作者: 相木ふゆ彦
第三章 四天王編

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第75話 魔王と戦う夜白⑨

「和成、こいつは毒を使う! 解毒魔法を!」

 

 俺はとっさに物魔結界を張りながら、ザガンを体内に吸収した。

 オロバロスの毒ブレスは俺の結界で防いだものの、俺は体内からの毒に転がる。

 

 臓腑が焼けるような痛みにもだえていると、和成がキュア・ポイズンですぐに解毒してくれた。

 

「こいつは、厄介だぞ」

 

 自分に回復魔法をかけながら、発した言葉がかすれた。

 ザガンは俺の体内で順調に回復をしているが、すぐには戦線復帰は出来ない。

 

〇頑張って夜白くん!!!

〇初めてダメージ受けたとこ見た、やばくない?

〇相手のドラゴン、最初のドラゴンよりサイズばぐってない?

〇え、相手何ランク?

〇最初のドラゴンが既にSランク越えてたってことは

〇DCA公式から発表あった!最初のドラゴンはレッサードラゴンでSランク、大きいのはSSSランクだって!

〇は??桁おかしい

〇そいえば剣聖、最初ジョブ鑑定で一回SSSランクって出たことあったよね?今こそSSSランクの力を!

〇SSS!SSS!

 

 楓が必死に魔王オロバロスに攻撃しているが、わずかしか傷を負わせられてない。

 朝日は、押し寄せるドラゴニュートやアイスエルフの対応で精いっぱい。

 

 マヒルは、必死でワイバーンへと攻撃を向けているが、二割は避けられている。

 その中で、和成が神聖結界を発動しなくても結界があることに気が付いた。俺をちらりと見たので、頷き返す。

 

「和成、毒ブレスがかかった俺にパーフェクトヒールをかけ続けられるか?!」

 

「やれないとは言わないよ! 何がなんでも連発しちゃる!」

 

 俺は轟滅黒剣(ごうめつこっけん)を片手に、結界を抜ける。すぐさま俺に向かって毒ブレスが放たれる。

 回避はしなかった。絶対に回復してくれると信じて。

 

「行くぞ!」

 

 跳躍した俺はブレスに呑まれる。

 麻痺しかかった俺を、パーフェクトヒールに包まれた瞬間、刃を振るった。

 

「天斬破!!」

 

 轟滅黒剣(ごうめつこっけん)が新しく覚えたスキルを叫ぶ。

 再度パーフェクトヒールがかかり、剣を握る手に力が戻る。

 魔王オロバロスの悲鳴が鼓膜を震わせた。

 

《イグニス、貴様……大賢者の癖にその剣は冗談で握っているのではなかったのか!》

 

 右手を吹き飛ばすつもりが、右足もろとも吹きとばしていた。

 バランスを崩した魔王オロバロスは、なおも毒ブレスを吐いたが剣を回転させてそれを防ぐ。

 

 そうか、オロバロスの情報の中に俺が剣聖だという情報はなかったのか。

 アグニラ戦から機会をうかがっていればこの情報も手に入っただろうに、捨て駒扱いでもしたのかな。

 

〇状況逆転!やったー!

〇さすが俺たちの剣聖!

〇最強の座が決まった……!

〇SSSランクでも、揺るがない強さ……剣聖ってこんなチートなんだ

〇いやチートなのは夜白くんだからでは?

〇喧嘩やめい

〇え、うそ、SSSドラゴンなんか再生してるんですけど?

 

 しかし、毒が麻痺程度ですんだのは花鈴のおかげだな。

 防御力をあげた甲斐はある。前の俺だったら、ザガン同様に体中に毒が回っただろう。

 

 それでも、弱点は分かった。

 魔法にはびくともせず、宇賀神ハンターの攻撃を嫌がったということは。

 

 弱点の魔法を克服して、満を持して大賢者の俺に挑んできたということ。

 つまり、剣聖である俺が弱点になっていたのだ。

 

「ガンガン攻めるぞ。眷属はみんなに任せる。さっさと倒して、合流するからな」

 

 おおっとクラスの皆が声をあげる。

 不思議と悲観的な雰囲気はなかった。

 

『それは……我が、王がいるからですぞ……』

 

 ザガン、回復途中でツッコミはいいから回復に専念してくれ。

 でも、思ったより回復は早い。

 

 俺は魔力をのせずに、轟滅黒剣(ごうめつこっけん)に力を入れる。

 再生しかけた魔王オロバロスの右手と足を再びぶった切ると、今度は左半身へ向ける。

 

 太い丸太を切るように切断すると、オロバロスの怒りの尻尾攻撃で暴れた。

 残るは、竜の姿をしたオロバロス、その首と胴体は一番分厚い。

 

《おのれ、武器を取るとは……あのイグニスが》 

 

 悪かったな、オロバロス。

 今の俺は、イグニス・ランツァじゃない。

 不破夜白、それが今の俺の名前だ。

 

「待ってろ、今、その首を今とってやる!」

 

 轟滅黒剣(ごうめつこっけん)が、鈍く光った。

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さすがの夜白。強し。和成もナイスアシスト。
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