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元大賢者、転生してレベル1からダンジョン配信  作者: 相木ふゆ彦
第三章 四天王編

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第74話 魔王と戦う夜白⑧

 結界に亀裂が走った瞬間、俺が結界を張るより先にザガンが張りなおすほうが早かった。

 

『我が王は、魔王オロバロスに備えて余力を残しておいてください』

 

 だけど、下の階を食い止めるのは……!

 

『ご安心を、魔王に進化覚醒して魔力量もかなり増えております。分身も持続しております』

 

 俺も分身を深層にだすか。

 

『影竜王オロバロスがどう出るか分からないうちは、温存してくださいませ。それがしに代わる召喚魔はまた呼び出せましょうが、我が王の代わりはいませぬ』

 

 ザガンの代わりだっていないんだぞ……!

 召喚魔は主人の為に忠義を尽くす存在。分かっているけど、俺だってザガンが相棒なのがいい。

 

『主君にそこまで言われるとは、わが身の喜ぶところ』

 

「ごめん!! 今すぐちゃんと張りなおす!」

 

 和成が叫ぶ。魔力ポーションを飲みながら、結界を維持するのに手こずったようだ。

 

「頑張ってくれ! 安全策もしいてあるが」

 

 マヒル、朝日、楓、和成、は俺が結界魔法があるのを知っている。多分、俺の仕業だと思うんだろうな。

 俺の前世まで話しておいて、なんでザガンのことを秘密にするのか。

 

 きらりには知られてしまったけど、ザガンとは主従であり一番の戦友でもある。

 要するに、何か気恥しいのだ。

 

「ボルカニック・シールド!」

 

「カラミティバースト!」

 

 朝日と楓がうまく攻防連携しながら、一点集中で敵を蹴散らしている。

 攻撃力10000を超えるコンビだ。今のところ俺以外には最高戦力になっている。

 

 俺も、魔力をかなり轟滅黒剣(ごうめつこっけん)の刀身に乗せる。目標は、この一層の壊滅だ。

 

「紫電烈閃!」

 

 紫色の雷は、残波と共に遠く轟いた。

 F級ダンジョンなので、壁にダメージが少しいったが魔物は一掃する。

 

「今のうちに回復を!」

 

 クラスのほとんどが、急いで魔力ポーションを飲み始めた。

 

「いや、凄まじいな。夜白君」

 

 宇賀神ハンターが汗を拭いた。

 全クラスを巻き込んだ不幸だったが、全員が最低限の防御をしてくれていて良かった。

 

 俺は、防御ピアスと胸当ての軽装備だったが、他の皆は全身まんべんなく装備を使っている。

 宇賀神ハンターも、今は最高の装備をつけているはずだ。

 

 二層でザガンが頑張っているおかげで、一層にあがってくる魔物は少ない。

 マヒルの魔法はかなり広範囲なので、もう少し進んできたら射程圏内だろう。

 だが、その前に俺が片付けなければ。

 

「マヒル、ボスが出てくるまで無理するな。奴の弱点は魔法だから」

 

「わかった!」

 

 その瞬間、地面から魔物が沸いた。

 飛翔するワイバーン。レッサードラゴンのブレスが結界に直撃する刹那、俺がその首を断ち切る。

 

《ふ、ふふふ。かつて孤高のイグニスが、現世ではこんなに矮小な人間を必死に守るとは》 

 

 出たな、魔王オロバロス!

 

「フレアジャベリン!」

 

 すかさず、オロバロスの竜体にマヒルが火魔法を繰り出す。

 オロバロスはそれを尻尾で振り払った。

 

《まあ、人間にしてはまあまあじゃが、イグニスお前は撃たんのか?》

 

 黒い竜は、笑い声をあげる。

 なんだ? なんでこいつはわざと俺を誘導するんだ?

 オロバロスからしたら、弱点の魔法を使われたほうが不利じゃないのか。

 

「アイシクルランス!」

 

 マヒルの魔法が連続する。

 だが、それも翼が無造作に弾いた。

 

「おらぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

 宇賀神ハンターが拳聖らしく、素手でオロバロスに接近してパンチを撃とうとする。

 オロバロスは、不快そうにそれを避けた。

 

 ……避けた?

 

『我が……王』

 

 パリィンと、ザガンの結界が砕ける。 

 どうした!?

 

『影竜王オロバロスの、毒のブレスを、食らい……ました』

 

 いったん、俺の中に戻って回復しろ。

 

『それは、なりません……』

 

 ザガンが痙攣していくのが分かる。

 俺とザガンをつなぐ糸が、一気に細くなっていった。

 

 ザガンが危ない!

 

《最強の手ごまから倒してやったぞ? 気分はどうだ?》 

 

 魔王オロバロスは、息を吸い込む。

 

 そして、みんなに向かって毒のブレスをぶつけたのだった。

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― 新着の感想 ―
えぇ~ザガンまで。みんなにも毒のブレスをはかれたら全滅のピンチ!ヤシロどうやって魔王影竜王オロバロスを倒す?
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