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元大賢者、転生してレベル1からダンジョン配信  作者: 相木ふゆ彦
第一章 元大賢者(SSランク)、剣聖(SSSランク)になる

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第六話 目をつけられる夜白

 配信が終わったあとは、教室で説明会だというのでマヒルに声をかけそびれた。

 武器が同じくなかった楓が前の席だったので、様子を聞くと「今はまあこんなもんだろ」とのこと。しまった、こいつにはイケメンという武器があったんだ。聞くだけ無駄だったな。

 

 和成はヒーラーだし、あいつも実演できなかったろうな。教師の話を聞き流しながら、朱雀高校が母体の動画チャンネルから和成のチャンネルを探す。

 消音で見たが、学校に植えられた木に豪快に手をぶつけて、その手をヒールして実演していた。やるな、あいつ。

 

 そのまま、マヒル、楓と仲良くなったメンバーのチャンネルをフォローした。

 

「尚、配信ドローンを破壊したものは、次回から自費で……」

 

 教師と、幾人かの生徒の視線が俺に突き刺さる。体育館倉庫のことを根に持たれてるな。

 自慢じゃないが、大賢者時代は魔王の城も吹きとばしてたけどな。あれっぽっちであんなに怒られるとは……。

 

 現代は難しいな……魔力コントロールより、大技をぶっぱなしタイプだったので、なるべく今世はコントロール頑張ろう。

 教師は、学業や配信の盛り上げ方の担当だけで、実技にはアビリティインストラクターが付くことなどを淡々と説明を続ける。

 

 隣の席のマヒルは、しっかりとメモを取っていた。真面目だ……。

 俺も多少は聞かないとな。生徒同士で戦うことは校則で禁止されていることや、ダンジョンに潜る際は協力すること、などよく考えなくても分かる話を続けていた。

 

 マヒルの髪が、ゆっくり揺れているのを見つめていたら、いつの間にか教師の話は終わった。

 

「昼だから、学食いこー!覚醒紋もちは全員学食タダっていいよねー」

 

 前の席から和成がこっちに来る。そうか、ハンター以外も学食はただなのか。やたら壊したら実費という癖に、金があるじゃないか。

 

「明日から早速実技だからな。しっかり食べるぞ」

 

 楓がそわそわと立ち上がり、そういえば……お腹が空いたな。

 しかしタダといってもステーキとかはないだろうなぁ。どこまでがタダなのか気になる。

 

「不破くん」

 

 朝は和食だったから、昼は中華かな。ラーメンがあると嬉しい、味が選べるとさらに嬉しい。

 

不破ふわ夜白やしろくん」

 

 ハンバーグ定食なんかもあったりするかな、ソースの味は選びたいが贅沢か?

 

「不・破・夜・白くん! 剣聖様と呼ばないと気が付けないのかな」

 

「夜白くん、呼ばれてるよ」

 

 マヒルに突かれて、ようやく俺は意識がはっきりした。さっきまでの俺の脳内は肉汁とラーメンでいっぱいだったからな。

 

「ん?」

 

「君に配信を邪魔された千早誠志郎だ。覚えているかね」

 

「いや、さっきの今でさすがに忘れたら、俺は何らかの心配をすべきだろう」

 

「アタシは火乃森ひのもり 美琴みこと! ミコって呼んでね、Sランクさま」

 

 俺の名前はSランクさまではないが。

 青髪の誠志郎と、その横に金髪のギャルがいた。いや、美琴か。

 いきなり初対面でミコとは呼べないな。

 

「よろしく」

 

「……先ほど君はクラス委員長に立候補しなかったね、なぜだい」

 

 そうだったのか、あの長い話の間にそんな話が。

 立候補なにも聞いていなかったんだからしようがない。聞いていても俺が立候補したとは思えない。

 

「誠史郎だっけ。やけに夜白につっかかるじゃん。なんで?」

 

 和成が俺の代わりに質問してくれた。そうだ、理由を言え。

 

「華々しく私のAランクデビューを邪魔してくれたことも、配信の邪魔も不問にしよう! 問題は私の髪を乱したことだ!」

 

 はあ?

 何言ってんだコイツ。

 

「……意味わからん」

 

 楓がぼそっと呟いて、マヒルはまだ状況についていけない顔をしている。

 

「この青い髪は正義の色だ! 私は今日のデビューのために普段より一、五割硬めに固めた! なのに君の派手な剣撃でこのざまだ!」

 

 壇上に上がった時と間違え探しか?一、五倍ってそれ誤差だろうが。こいつは何を言ってるんだ。

 結局、配信の邪魔に怒ってるんじゃないのか? いや、むしろそうであれ。

 

「えっと、夜白そんなにすごい一撃放ったの?」

 

「いや、素振りしただけだが?」

 

「うっそー、あれ絶対やばかったって。ミコこの目で見てたもん」

 

 マヒルと楓が俺の動画を慌ててみたらしく、なんとも言えない目で俺をみた。

 な? 枝振っただけだろ? 

 

「……夜白くん凄すぎ」

 

 すごくつまらないって意味だよな。

 

「あんなの練習すればみんなできるぞ」

 

「できるか! あーわかったぞ、夜白とちはやって相性最悪だ。夜白は煽ってるつもりないんだろうけど、それ下手すると他のやつ弱者って言ってるからな?」

 

「いや、楓だって出来……」

 

 楓と和成に、俺は同時に肩を左右掴まれた。

 

「マヒルちゃん、付いてきて!」

 

「おい、いきなり何事だ?」

 

「えー、ミコもついていきたーい」

 

「美琴ちゃんはまた今度ね~」

 

 二人は俺を掴んだまま、疾走する。あちこちから、あれSランク? と呼ばれているのはマヒルのことか。

 学食は混みあっていたが、マヒルを見ると列が割れた。それをいいことに楓と和成は、中に突っ込んでいく。

 

「おい、いいのか並ばなくて。あとで怒られても知らないからな」

 

「夜白には言われたくねぇな」

 

 なんでだ。

 だって髪型が崩れただけで文句いうやつが存在したんだぞ?

 

 楓と和成は、奥のテーブルを占拠すると、一息ついた。

 

「厄介なやつが出てきたなー」

 

「要するに、あれは俺を気に入らないんだろ?」

 

「そうだけど、ちょっとそうじゃないんだなーこれが」

 

 周囲からの視線が痛い。

 

「マヒル、すごい注目されてるな」

 

「夜白くんにも苦手なことってあったんだね! 私、サポートするね」

 マヒルのサポートをするのは俺なんだけどな。マヒルの言い方を聞くと、まるで俺が鈍感みたいじゃないか。

 

 くっそ、今度全員に攻撃力エンチャントして枝振り衝撃波ださせてやろーかな。

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― 新着の感想 ―
ヤシロは普通のつもりでも他の人と違いすぎて:本人がわかってないのが、ひとりごとが可笑しすぎるぅ
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