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元大賢者、転生してレベル1からダンジョン配信  作者: 相木ふゆ彦
第三章 四天王編

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第59話 競争させられる夜白②

 スタートとともに、俺たちは四方に散った。

 ザガンに頼ってもいいが、なんか個人的に嫌なので、自力で十層か二十層行きの魔法陣を探す。

 

 宇賀神ハンターなら、追ってこれるだろう。

 これ見よがしに、谷之が魔物に槍を刺していたが、俺は広いところで暴れたい。

 

 楓も、新武器の威力が分からないからだろう。魔物を倒さずに二層を目指して、つっこんでいく。

 しかし、傍からみたらタンクなしの楓は危なく見えるだろうし、朝日は火力不足だと思われるんじゃないか?

 

『魔王グラキエス戦を見たものなら、あの火力は見ているでしょう。むしろあの時、目立たなかったのは楓殿です。グラキエスの双刀を使った未知数の楓殿のお披露目の場でしょう』

 

 なるほどな。

 進路を妨害してくる魔物だけを薙ぎ払いながら進む俺は、まだ魔法陣を見つけられないでいる。

 

「ボルカニック・シールド!」

 

 大盾から、業火が大量に吐き出された。

 大盾を器用に操る朝日が、ロックバードを大量に瞬殺した。ご丁寧に、魔石を拾われるのを待っている余裕もある。

 

「螺旋槍!」

 

 谷之も、言うだけあって一撃で一体は仕留めている。

 そうか、ここの魔物は攻撃力300もあれば一撃なのか。

 

「朝日、シールドスキルに頼ると、魔力ポーション飲むのに疲れるから普通に殴るといいぞ」 

 

「あ、そっか。ここはS級じゃないんだもんね!」

 

 朝日が納得の顔で、防御を固めながらアグニラの盾でロックバードを小突いていく。

 一打必死で、振りかぶるわけでもなく殴っていく朝日に、谷之の顔が引き攣る。

 

「んなアホな……。盾のギミックおかしいだけやないんか? E級ジョブでしかも大盾使いがそんな攻撃力高いわけあるか!」

 

 もはや散歩モードで魔物を粉砕していく朝日を見送って、俺は二層に下りた。

 魔法陣を出すために抜刀しても良かったが、それだと大盾使いの朝日に移動で面倒だからな。

 

 二層に下りた俺は、とんでもない光景を見た。

 楓がバーサーカーモードになっている。もちろん、グラキエスのドロップ品にそういう効果があったわけじゃない。

 

「はははははは、C級ダンジョンの魔物が豆腐みたいに切れるじゃないか! なんだこれは、すげぇ快感!」

 

 グラキエスの双刀は、元々短くはなかったが、刃に氷の断面が面積を広げている。

 走りながら、スパスパと魔物の首を飛ばしていた。

 

 顔に返り血が飛んでいて、けっこうやばい絵面だ。

 

『それがしも覚醒を最初にしたときは、やはりはしゃぎましたなぁ』

 

 おまえもこれをやったのか、ザガン。

 その光景を見なくてよかったよ。

 

 俺は、三層に下りることにした。

 広がるのはカニバル・ウルフか。

 

『背後でついてくる宇賀神ハンターのことを考えて、そろそろ大量討伐しましょうぞ』

 

 あ、そうか……。

 俺は魔物に避けられる魔力量なので気が付かなかったが、宇賀神ハンターは普通に倒している。

 もう少し近距離に寄るか。

 

『時間はあと二十四分です』

 

 そうそう、時間が決められていたんだったな。

 ザガンがいて良かった。

 

「行きます」

 

 自分の配信ドローンに呟く。

 宇賀神ハンターを背中に、俺は斬撃を広く飛ばした。これは技でもなんでもない。

 

 轟滅黒剣(ごうめつこっけん)に慣れてきて、ようやく剣聖らしいことが出来るようになった。

 要は、剣に長く魔力を纏わせて鋭利な風を纏わせるイメージだ。

 

 前方と後方にそれぞれ、轟滅黒剣(ごうめつこっけん)を振るう。

 煙と鮮血が、香った。


〇やっておしまいなさい、夜白さん!

〇前が見えねぇぇ!

〇衝撃波はなつ剣聖

〇剣聖ってなんだっけ

〇もはやレーザービーム草

〇おかしいな宇賀神ハンターがヒロインに……?

〇視界回復してきたぞ!

〇……嘘でしょ、フロアの魔物全滅……?


 うーん、やはりC級ダンジョンだなぁ。

 キマイラは多少手ごたえがあったが、ここじゃ防御を感じられない。

 

 楓じゃないけど、紙を切っているのとそう変わらないぞ。

 宇賀神ハンターが、急いで魔石を拾ってくれているが時間はかかりそうだな。

 

 俺も手伝ったほうがいいのか……?

 

『おそらく魔石拾いは、手を貸さないほうがようでしょう。また京のS級が不正だなんだと言いかねません』

 

「すまんな、夜白くん。応援を呼んだから、応援と一緒に進んでくれ」

 

「なんだかすみません」

 

 もっと、配信的にも見せ場を作るべきだったのか?

 十分ほどすると、タンクではなくアサシン系のプロハンターが記録ドローンを振りほどく勢いできた。

 

 見たことある人だなぁ。

 日本最速のプロハンターの人だっけ?

 

「じゃ、進みます」

 

 せっせと魔石拾いをする宇賀神ハンターを置いて、その人と四層に下りた。

 今度は、さっきの反省を生かして二撃でフロアを全滅させるのは止めた。

 

 一応、学習できる男だからな。

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― 新着の感想 ―
楓も朝日も強~い!ヤシロは当然。もともと勝負するレベルじゃなかったしね
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