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元大賢者、転生してレベル1からダンジョン配信  作者: 相木ふゆ彦
第三章 四天王編

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第57話 新たなるS級ハンターに挑まれた夜白

 意外なことに、宇賀神ハンターはこの件を既に知っていた。

 DCAから、昨日のうちに連絡がいっていたらしい。でも、俺が相手にすると思わなかったようだ。

 

「いいか、夜白くん。くれぐれも、くれぐれも、人殺しはしないように。相手がどれだけ生意気だろうと短気は起こさないように」

 

「さすがに俺もそんな犯罪起こしませんよ……」

 

 俺が返事を送ったことで、DCAでも騒ぎが起こったらしい。

 C級ダンジョン前に野次馬がかなりいるそうだが、ふくれあがるだろうと警備を増やそうとしているそうだ。

 

 そんなに騒ぐことか……?

 対戦内容も聞いていないし。もしかすると腕立て伏せの回数対決とか、そういうものかもしれない。

 

『でしたら、わざわざダンジョンの前に呼び出さないでしょうに……。おそらく魔物討伐数を競うのがベターでは?』

 

 そうか。そういうものか。

 

「マヒルくんと和成くんは、今日はいないのかい?」

 

「テスト勉強らしいです」

 

「ほう? 夜白くんは大丈夫かな」

 

「俺は勉強で詰まったことはないので……」

 

 一番後ろの席に座っていた俺を、前に座っていた楓と朝日が急に振り返ってきた。

 

「裏切りものぉ~、いつから勉強できる設定に……!」

 

「夜白も仲間だと思っていたが……」

 

 一応、元大賢者だぞ。

 理論や数式なんかは得意だ。一番点数が低いのは国語だが……。

 あれもテンプレートを理解すれば、それなりに回答率はあがるぞ。

 

「ダンジョン終わったら勉強みようか?」

 

「くうう、強者のセリフ!」

 

「……夜白の説明で、俺はわかるんだろうか」

 

 なんだか失礼だな。

 マヒルとはよく、瞬間移動で学校に移動したあと、よくノート見せ合って予習復習しているぞ。

 そんな時に、わかりにくいと言われたことはない。 

 

「もうすぐ着くぞー。着いたら、おれがダンジョン手続きをするから玄武高に喧嘩を売られても、買うなよー」

 

「わかってますよ」

 

 俺たちを先に下ろすことに、宇賀神ハンターはかなり躊躇していたが人ごみが車道まで出ていたので諦めた。

 下りたそこは、まるでハロウィンの渋谷のようだった。

 雨はやんでいて、多くの人は畳んだ傘を持っている。

 

 DCAの警備の服を着た人たちが、警察と一緒になって人ごみを整理させようとしている。

 長い槍に時代錯誤なバンダナを巻いた男が、ダンジョン受付の前で偉そうにふんぞり返っていた。

 

「あれかな……?」

 

「確かに、頭の悪そうな顔しているな」

 

 呼び出されたのに変装をしていても仕方ないので、俺たちは車の中に変装道具を置いてきた。

 なので、道のあちこちから「きたぞ!」 「剣聖だ!」と声があがる。

 

「俺様の名前は谷之光太郎や! えらい重役出勤ですなぁ、Sランクの剣聖はん!」

 

「はあ……なんか用ですか」

 

「なんや、全然覇気がありまへんなぁ。これ見よがしにお供なんぞ連れてきはって」

 

 一人称、俺様て。

 どうしたら、一方的に呼びつけられた状況で元気に登場できるのだろうか。

 こいつ、本当に図々しいなぁ。先輩らしいけど。

 

『我が王、こいつ殴りましょう』

 

 だから、宇賀神ハンターが喧嘩するなって言ってただろ。率先して破ろうとするなよ。

 だが、ザガンだけではなく楓も朝日もかなりイラっとしたようだ。

 

「なにあいつ、ヤシロが本気で殴ったら死ぬからボクが殴る!」

 

「いや、オレも殴る。殴って京都まで飛ばす」

 

 楓まで、なんかむちゃくちゃ言い出したな。

 もしかして、谷之って煽りの天才なのか?

 

『我が王がそれを言いますか……』

 

「お供ってなんだよ! ボクたちは最初から今日集まる予定だったんです! 変な呼び出しと関係なく」

 

「そうだ、予定外なのはむしろアンタの存在なんだよ。動画に書き込みで荒らしておいて、よくそんな態度とれるな」

 

 そうだそうだと、野次馬もブーイングを鳴らす。

 なんか、ライブ会場のような勢いになってきたな。

 

「俺様は夜白はんの好敵手、つまりライバルっちゅうもんや。どっちがぎょうさん魔物を倒せるか、この勝負、受けてもらってよろしいやろか」

 

 ライバル……?

 そもそもは、俺は谷之の存在を知らなかったのだが。

 

「はい、やめやめ。この勝負、宇賀神大将が間にたつぞ」

 

 人だかりから見慣れてきた巨体が出てきて、人ごみはさらに盛り上がる。

 大人気プロハンターが突然出たら、まあ喜ぶよな。

 

「アビスオーダーギルドのギルマスをうまいこと丸めこんだやろ、凄腕詐欺師の夜白はん」

 

 はああ?

 まあ、普通の一学生がプロハンターと居るのはおかしいし、護衛だという秘密も明かせないけどさ。

 

「朱雀校では夜白はんを贔屓してはるっちゅう噂、他の連中から流れてきてるんやわぁ」

 

 ああー、護衛を隠していても、俺の移動についてきてるのは、他の学年も見ているだろうしな。

 ハンター科の他の連中かもしれないし。

 

 過去の感じだと、マヒルをいじめた橘や火乃森とか。憶測でしかないが。

 

「さあ、C級ダンジョンでどっちが多く魔物を狩れるか、勝負や!」

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― 新着の感想 ―
まぁ普通の高校生に有名なプロハンターが護衛につくとは考えにくいもんね。ひいきされていると思っているんだ。驚くだろうなぁ。異次元の強さに
こんにちは。 >モンスター倒した数で勝負 それはつまり自ら「普通にタイマンしたら負けるから、他のやり方で試合して下さい」って宣言してるのと変わらんのでは? もう「直接俺に挑むのが怖いのか?このイキり…
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