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元大賢者、転生してレベル1からダンジョン配信  作者: 相木ふゆ彦
第三章 四天王編

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第53話 お礼を言われる夜白

 ダンジョンを出ると、DCAからの車は三台もきていた。

 マヒルと朝日で一台、楓と和成で一台、俺で一台らしい。

 

 来た時のミニバスは、宇賀神ハンターが運転してついてくるそうだ。

 なんか……大所帯だな。

 

「まあまあ、そう嫌そうな顔しなさんな。もはや夜白くんはスーパースターなんだから」

 

 スターって。

 言った大空ハンターは、ここまでヘリできて、DCA支部の車を待っていたそうだ。つい先ほどついたので、特殊結界が見られなくて残念がっていた。

 

 通過できるか、度胸ためししたかったのかな。

 それでも、無言で送迎に来たあの日と違って、他の大人にもかなり丁寧に扱われた。

 子供なんかに……という体制はなくなったのかもしれない。

 

「待ってください、今回の功労者は夜白です! 俺たちは指示通りにしていて、単独でキマイラを倒したりはしてないです。事情聴取といわれても、事情を知りたいのはオレらのほうです」

 

 いざ車に乗り込む前に、楓が大声を出した。

 事情聴取が嫌なのは俺もだ。気持ちはわかる。

 

「しかし、その辺の人目があるところで話をきくわけにいかないだろう?」

 

「そうそう、あなたたちも機密の一員よ」

 

 大空ハンターと、久しぶりの桜井ハンターにいなされたが、楓は引かなかった。というか、和成が加勢したのだ。

 

「話を聞くなら、ここでどうにかしてください。夜白を呼びつけるのも、そろそろやめてください。一大事なのは分かっていますが、僕らは楽しく合宿する予定だったんです」

 

 まあまあ。どちらの言い分もわかるけど、前世年齢でおっさんの俺としては一応偉い人を立てないとな……。

 前世はそれで、国王の話をきくのをシカトしてたら、あやうく追放されかけてたしな……。

 

『我が王……それはかなりまずかったのでは』

 

 まずかったよ。何しろ研究結果おいて、身一つで出されるところだったからね。

 話を聞き流したからって、おとなげないよなぁ?

 

「はっは、それじゃ彼らのペンションにスタッフを向かわせるのはどうだい? ――しかし、楓くん。レベルを見たまえ。君はおそらく相当なレベルになっているはずだ」

 

 俺以外のみんなが、慌ててステータスを広げた。

 

「オレ、レベル40……? 嘘だろ、今朝まで18だったのに」

 

「僕は31なんだけど!? ヒーラーがこんなレベルになるって前線で何十年戦わないとならない数値だよ!?」

 

「ボク……47……ただの大盾使いでE級ジョブなのに」

 

「私、55……。藤川先生越えちゃった……」

 

 楓は想定通りだったな。

 そろそろ筋肉痛で腕が上がらなくなるまで、武器をふるっていたし。

 

 和成は、こまごまと中断仕事があったからなあ。もう少しあげたかったが。上位回復魔法を覚えたはずだ。

 朝日は、やはりアグニラの盾での攻撃が大きかったな。ステータスには出ないが、盾の攻撃力はアグニラの生前のパワーに近いはずだ。

 

 マヒルは、結界だけじゃなく与えたダメージの多さだろう。広範囲技が多かった分、経験値も多かったな。

 

「あ、あなたたち、その攻撃力どうなっているの!?」

 

「魔力も防御力もエグいな……!」

 

 あ、それは魔肉のせいだな。

 諸々、よく育った通りで何より。

 

「はっは、だからその辺も話し合おうじゃないか」

 

 宇賀神ハンターの鶴の一声で、マヒルの伯父さんの別荘に向かうことになった。

 こんな集団でぞろぞろきたら、びっくりさせてしまうな。

 

 その辺も――って言ってたけど、そうなると俺の魔肉がバレる??

 C級の魔肉ならともかく、S級の魔肉は普通は学生に手が届かないからなぁ。

 どうしよ、ザガン。

 

『魔肉のことは誰もしゃべらないと思いますぞ』

 

 そうかな。

 

『そうでないと、我が王の収納魔法が結果的にバレます』

 

 あ、あーそうか……。

 不自然かもしれないけど、俺の前世がこれ以上元大賢者だとバレたくはないなぁ。

 人体実験されても怖いし。

 

「よ、よろしかったらお弁当でも……」

 

 俺の車の助手席の人が、弁当を差し出してくれた。

 確かにお腹も減った。

 

 あとのことは、食べてから考えようっと。

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― 新着の感想 ―
いろいろ隠し事が多いと大変だねぇヤシロ
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