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元大賢者、転生してレベル1からダンジョン配信  作者: 相木ふゆ彦
第三章 四天王編

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第44話 魔王と対決する夜白②

 S級ダンジョンの真上にはさすがに着陸できず、近くのヘリポートのあるビルに着陸した。

 宇賀神うがじんハンターは、重厚な装備へと着替える。その巨体に、DCAの事務服の人が何かを囁いて、表情が険しくなった。

 

「……夜白くん。とうとうポーションで間に合わない怪我人が出た。引き返すなら今だぞ」

 

「行きます」

 

 大空ハンターが頭をガシガシとかく。

 

「君はいつもそう即答するがなぁ……」

 

 だって、アグニラとの闘いで動けたの俺くらいだし。

 むしろ、ここまで来て躊躇う時間が勿体ない。

 

「けが人が出てるなら、むしろ急いで現場にいったほうがいいのでは?」

 

 宇賀神ハンターも黙り込み、思いつめた風の事務員さんが俺の手を握った。

 

「お願いできますか……? 今、娘が戦っているんです」

 

「わかりました。頑張ります」

 

 俺が飛び出して、宇賀神ハンターと大空ハンターが続く。

 ザガンにナビゲートさせようかと思ったが、それだと怪しまれる。声の大きい大空ハンターが、背後から指示だししてくれるので、振り切らない速度でそれに従う。

 

 S級ダンジョンゲートは封鎖され、武装したハンターが勢ぞろいしていた。

 多分、討伐部隊が倒れたときの後詰めなんだろう。高坂ハンターの顔が見えたので、俺は手を振った。

 

 高坂ハンターは火属性だから、今回は討伐メンバーじゃないのかな……。

 話をする暇もなく、高坂ハンターは封鎖を外して俺たちを入れてくれた。

 

「二十層へ!」

 

 高坂ハンターの声が俺の背を押す。

 一部のハンターたちが「なんだあの子供は」と騒いでいるのを聞き流して、一層に入った。

 

 二十層は、俺がこの間こっそり暴れたところだ……。やはり俺の魔力を追ってきたのか?

 でもそれだと三十層にでそうなもんだけど。

 

「足がはやいな……一人でいくんじゃないぞ」

 

 移動魔法陣に足を乗せかけたところで、宇賀神ハンターと大空ハンターが追いついた。

 装備もあって全力疾走は大変そうだな……。

 しかも大空ハンターはヘリポートで受け取っていた大きな袋が邪魔そうだ。

 

『我が王、あれは大量のハイポーションと魔力ポーションですぞ』

 

 そうか、先陣部隊に差し入れするやつか。

 考えなしの俺は何も持たずだ……勉強になるなぁ。

 

『顔見知りでいえば、如月ハンターが先に参加しております』

 

 クレリックというヒーラーの最高位ジョブの如月ハンター。初対面のときは、色々優しい声掛けしてくれたっけ。

 死なせちゃいけない……!

 

 勿論、他のハンターも。

 転送魔法陣に、三人で乗ると魔法陣が動き出した。

 

『水魔法使い三人、雷魔法使い二人、回復魔法使い二人、如月ハンター。タンクが二人ですが、ダメージは入れられてないようです』

 

 ザガンが先んじて情報をくれる。

 近距離ハンターがいないのは、あの蛇の放つ火炎のせいかな。

 

「援護にきたぞ!」

 

 大空ハンターが火を防ぎながら、宇賀神ハンターと先陣隊に加わる。魔法使いから回復役までが、必死に魔力ポーションを飲み始めた。

 如月ハンターの結界は、アグニラの攻撃力を下回っている。ザガン、こっそり結界を張ってくれるか。

 

『は』

 

 今は色んな魔力と、主にアグニラの力が空間を埋め尽くしている。ザガンが結界を張ってもバレないだろう。

 重症を負った人はタンクだった。合流でごちゃついている間に、俺はそっと遅延性の回復魔法をかけた。これなら俺とわかるまい。

 

《きたか、イグニス! 一番魔素の強い場所で暴れまわればくるとおもったわい》

 

 ……え? 俺の魔力残滓とかじゃないの?

 なんだ、階層はたまたまか。

 

「いくぞぉぉぉぉ!!」

 

 拳聖の宇賀神ハンターが凍った小手で、アグニラの蛇に殴りかかる。

 

「ちぃッ!」

 

「宇賀神ハンター、本体は奥の人型です!」

 

 火傷を負った宇賀神ハンターを、背後から回復系ハンターが即座に癒す。

 

《苦しめて殺してやろう……四天王の中で一番手たるわしの手柄としてな》

 

 そうはいくか。

 轟滅黒剣(ごうめつこっけん)で、勢いよく滑り出してきた大蛇の首を切り上げながらアグニラの本体に迫る。

 俺をいぶし焼にしようと前後左右から焔が迫るが、どれも全力で走って回避した。

 

 しつこく再生して追いすがる蛇を蹴倒そうかと思ったが、必死に奥へと進もうとする宇賀神ハンターに余波がいきそうでまとめて一刀両断する。

 

「氷刃嵐舞!」

 

 避けようとしたアグニラを、凍らせた大蛇で思わず殴りつける。

 こいつ、回避力だけは高いな。

 

『我が王、素手で倒してはいけませんよ』

 

《イグニス……こしゃくな! 前よりまさか強くなったのか!?》

 

 微々たるものだけどな。

 アグニラの目が見開かれる中、逃がさないように左手でその肩を掴みながら魔力の籠った轟滅黒剣(ごうめつこっけん)を振り下ろす。

 

《いいか、わしは四天王の中で最弱……! 次はこうはいかんぞ……》

 

「……すまん」

 

 せっかく復活したのかもしれないけど。再び俺を狙わなきゃ長生きできたろうに。

 血しぶきが上がって、獄炎王アグニラの首が宙に舞った。

 

 その体から生えた大蛇たちも、四散霧消する。

 後ろから勝どきが徐々にあがる中、そこには盾がドロップしていた。 

 鑑定をすると、火炎のガードを持つ10000の防御力の盾らしい。いいもの残してったな、アグニラ。

 

『あと三体ですな。これは苦戦せずに済むのではありませんか?』

 

 どうだろな、フラグになりそうだからやめとこう。

 

「夜白くん!! よくやったな! 君は日本を救ったぞ!!」

 

 突然宇賀神ハンターに体を持ち上げられて、俺は驚いた。

 ハンターの中には泣いている人もいる。

 

 それは、まあ、もちろん助けられて良かったんだけど。

 記録用ドローンが動いており、また一つ俺はデータをさらしてしまったかもしれない。

 

 ちょっと本気だしてしまったな……。 

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