第43話 ヘルプコールされた夜白
ヘリから降りてきた大空ハンターは、俺に思い切り頭を下げた。
「すまん! 夜白くんの力を借りたい。都内唯一のS級ダンジョンで、獄炎王アグニラが出現した」
「はあ、いいですけど」
「勿論断る権利が……へ?」
「いいですよ、S級ダンジョン」
大空ハンターは、大きなため息をついた。
「そうか……それなら助かるが……宇賀神ハンターを付けて護衛をつけておいて、こんなことを頼める立場ではないのだが……」
「俺を使うのに反対してたのは長官さんだったでしょう?」
それに、最大の攻撃力の宇賀神ハンターにも用があるだろうしな。
アグニラ対策で俺の横に置いていたんだ、関係なく出てきたならむしろ宇賀神ハンターが欲しいんだろう。
『そうだったら、我が王にも声はかかりませんよ』
あ、そうか。
「武器……は、持っているね? 宇賀神ハンターもこちらに」
初めてのヘリだなー。
宇賀神ハンターに声を掛けられ時に、轟滅黒剣は持ってきた。
一緒に校庭まで出てきた皆には、軽く手を振る。
朝日は俺を信じている顔で。マヒルは少し心配そうに。和成と楓は少し青ざめていた。
和成と楓は俺の隠しステータスを知らないから、仕方ないな。
「行ってくる」
皆が口々に、頑張れーとか気を付けて! と叫ぶ声がヘリコプターのブレードスラップ音に引き裂かれ、座席に座るとすぐに離陸が始まる。
「はっは、さすがの俺でも魔王と対決とは緊張するね」
「宇賀神ハンターは火属性の対策はありますか?」
「うちのギルドのアビスオーダーが、先に耐火装備を現場に送ってくれている。夜白くんこそいいのか?」
さすが、大手のギルマス。いい装備がたくさんあるんだろうなぁ。
「俺は、以前もこの装備だったので」
「そういえば、防御力が20000超えてあるんだったな」
「今は30000です」
「たまげたなぁ……SランクどころかSSランクじゃないのか……?」
正式には35000だけど。
この短期間で、花鈴はレベルあがりまくりの中、たくさん防御力を魔石でアップさせてくれた。
胸当てや腕輪でも防御力付与した防具を作ってくれているらしい。
いつになったら攻撃装備を作れるのかと嘆いていたけど、防御力も必要だぞ。
アグニラを倒したら何か報酬とかもらえないかなー。
『しかし、S級ダンジョンはこの間こっそり行った場所ではありませんか。何か我が王と関係していませんか?』
え、魔法は使ってないけど……最近轟滅黒剣が調子いいから魔力のせすぎたかも……もしかして、また俺なにかやらかしてる?
そうなると、報酬は諦めよう……。でも、悪いのはアグニラだから。
『我が王が前世で酷い殺し方をしたからでは……?』
きっちり魔力で倒せば良かった。なんでゲンコツで殺したかな、俺。
何件か……他にも心当たりはある。
『だから四天王なのでは?』
そうか、あと三人そうやって倒したのかー。俺の前世がやり残したことが、こんな形で返ってくるとはなー。
「あとどのくらいだ?」
「あと十五分ほどかかりますね」
宇賀神ハンターと大空ハンターが話し込み始めて、俺はステータスを見た。
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不破 夜白
レベル 3
ジョブ 剣聖 S(+SS大賢者)
体力 50(+999999)
魔力 70(+999999)
攻撃力 85(+999999)
防御力 80(+5000)+30000
俊敏性 50(+999999)
(火魔法、水魔法、木魔法、風魔法、雷魔法、土魔法、光魔法、闇魔法、時空魔法、再生魔法。召喚魔法、古代魔法、付与魔法、創造魔法、加工魔法、結界魔法、身体強化、収納魔法、物理攻撃耐性、魔法攻撃耐性)不動剣、紅蓮一閃、氷刃嵐舞、紫電烈閃。
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ん? 魔力、攻撃力、防御力が育ってきている。
エンペラーフレイムリザードと、 エンペラーオークの効果か!
エンペラーフレイムリザードは牛肉味があって、オークは当然豚肉系なので、飽きないように混ぜて食べていた。
どっちがどっちやら。
でも、こういう数値が俺に出てるってことは、三食魔肉を食べてる俺の数値が高いのは当然として……。
マヒルたちにも、放課後や昼食を食べていただけパワーアップしているはず。
楓や和成は、中身を知らずに食べているし……俺たちとパーティーを組んでからレベリングが早いので気が付いてないかも。
「到着します!」
操縦士からの声かけで、宇賀神ハンターの圧が強まった。
さあ、獄炎王アグニラを今度こそ倒すぞ!




