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元大賢者、転生してレベル1からダンジョン配信  作者: 相木ふゆ彦
第三章 四天王編

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第42話 反省しない夜白

 結論を言う。

 まあ、怒られたよね。うん。

 

 ランニングと嘘をついたから長時間は無理だと思って、三十層までで切り上げたんだが。

 何のための護衛のS級ハンターだ、と怒られ、家の側で車内から見張っていた人も含めて撒いてしまったせいで、ハンターによる捜索網が敷かれたらしい。それでも見つからなかった俺は、果てしない距離を走ったいたことにされ、DCAの長官にまで電話越しで叱られた。

 

 まあ、見つかるわけないよね。

 S級ダンジョンで無傷でかじられてたし。

 

 二度と宇賀神ハンターを置き去りにしないことを誓わせられて、この五日、大人しく学生ライフを過ごしている。

 

『ですが、魔石はおいしかったですな』

 

 おい、お前は俺のツッコミ役じゃ……。まあいいや。

 アークデーモンまで進化したザガンは、さすがに当分進化はないだろうしな。

 

 この上の階級となると、デーモンロードになる。小規模な魔王レベルだ。

 俺はお金も十分にあるので、花鈴には実技のない日にも轟滅黒剣(ごうめつこっけん)のレベルをあげてもらっている。

 

 怒られたがあの日S級ダンジョンで魔石を補充出来てよかった。

 エンペラーフレイムリザードの肉も旨かったし。

 

 その肉は、配信のお金で魔肉を買ったことにしてきらりに手伝ってもらいながら毎日料理してもらった。自分用のお弁当と、みんなでつまめるものと。

 俺の計画はこうだ。今は前世ステータスもあって、俺が目立ちがちだが、マヒルも朝日も和成も楓も異常に強くなれば結果として俺は目立たなくなる……予定だ。

 

 なので、皆に食べてもらって皆最強計画の一端にしている。

 S級ダンジョンの翌日は、S級ダンジョンの三十層は日本では未踏の地だと呆れられたのだが。

 

「明日からは、ゴールデンウィークだねー」

 

「念願だったもんね! 楽しみ」

 

 タッパーに詰まった肉巻きおにぎりを食べながら、マヒルと朝日が雑談している。

 二人は肉の正体を知ってるが、おいしいので文句はないそうだ。

 

 午後に実技が集中するため、みんな放課後はお腹を減らしている。

 楓が無言なのは、全力で肉巻きおにぎりを食べているせいだ。

 宇賀神ハンターは、相変わらず遠巻きにこっちを見ているがいつもサインに握手と忙しい。

 

「結局二泊になったしね~。僕もダンジョン以外も楽しみ」

 

「和成は、ダンジョン楽しみじゃないのか?」

 

 ウエットティッシュで手をふきながら、和成は不満そうな顔をする。

 

「だって、僕ヒーラーなのに誰もケガしないし――いや、いいことなんだけどね?」

 

 五月に入って、今はダンジョン実技は俺、マヒル、朝日、和成、楓の五人パーティーだ。

 主にマヒルの結界で、和成は仕事がない。なので、ヒーラーなのに真横一列に配置して、朝日の盾の横から杖で魔物を叩いてもらっている。

 

 レベルは順調にあがってるが、ヒーラーとしてはやはり不満があるのか。

 他パーティーは奇数や偶数で増えているが、いじめっ子である橘と火乃森ひのもり には、相変わらず誠志郎以外誰も寄り付かない。

 

 まあ、一緒に映ればそれだけでチャンネル登録者が消えるからな。

 誠志郎は数人の登録者が付いているそうだが、事件の前と後で態度が変わらないからだろうな。

 

「あの……」

 

 そんなことを考えていたせいか、背後から誠志郎の声がする。なんか最近このパターンが多いな。

 前は偉そうだったのに、なんだろう。

 

『それは以前は我が王が剣を爆発させてばかりだったからでしょう? Aランクジョブの自分のほうが勝っていると思っていたはずですぞ』

 

 え? そんなことなの?

 というか、ザガンどんどん自分がいない間の話に詳しいな?

 

『ずっと影で聞いていれば詳しくもなります』

 

 そういうもんかー。俺が来世で召喚魔になったら同じことが出来るかどうか……。向いていなそうだな。

 

「お礼が遅くなりました! 不破くんのおかげでシルバーフォックスもジャイアントウルフも非常に活躍しております。七瀬さんにも、お世話になりました……!」

 

「いえ、私は、ただついていっただけみたいなものですし」

 

 お茶を飲んでいたマヒルが慌てて、手を振る。

 まあ、被害はどちらかというと朝日にもあるな。終わった早々、飛びついてきて「ねぎらって~ボクをいたわって~」と頭をぐりぐり押し付けてきたから、必死に撫でて慰めたが。

 

 その割に、何があったのかとかは何も言わなかったな。

 

『配信で、なんで金髪とオレンジ髪といるんだと責められて、頼まれて今日だけだと視聴者をなだめるのに苦労していましたぞ』

 

 ん? 何故そんなことを――。そういやお前、誠志郎と居た時ほとんど出てこなかったと思ってたら朝日のとこにいたのか……。

 

『そりゃあ我が王の嫁の一人……げぶんげふん』

 

 呼吸器官のない召喚魔が、何か詰まっている。魔石か?

 誠志郎が去ったあとも肉巻きおにぎりをむさぼる会は続いたが、無言で食べていた楓がふと顔をあげた。

 

「なんか音が近づいてくる……!」

 

 一番窓際にいたせいか。

 全員、しゃべるのを止めて耳を澄ませた。

 プロペラ音……?飛行機じゃないな。

 

「ヘリだよ!」

 

 和成が手を伸ばす。その先には、確かにヘリコプターがいた。

 しかも、どんどん近づいてくる。

 風切り音が強く響いて、木が大きく揺れた。

 

「え、降りてきた」

 

 朝日の困惑をよそに、ヘリコプターは校庭で着陸する。

 なんだろうな。面倒な気配がある。

 ヘリからは、スカイギルドのマスターである大空ハンターが下りてきた。

 

「夜白君、S級ダンジョンで異変だそうだよ。行ってくれるかい?」

 

 電話を切った宇賀神ハンターが俺に声をかける。

 やれやれ、明日からゴールデンウィークだというのになぁ。

 

 休みの前の、一波乱に……なるかもしれない。 

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