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元大賢者、転生してレベル1からダンジョン配信  作者: 相木ふゆ彦
第三章 四天王編

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第39話 久しぶりのF級ダンジョンに行く夜白

 アビリティインストラクターの藤川は、宇賀神うがじんハンターからサインをもらってほくほくしながら許可をだした。

 

 一日ならチームが変わってもどうでもいいのか、サインに目がくらんだのか。その辺はよくわからないが。

 ダンジョンを歩く俺とマヒル、後をついてくる誠志郎とさらに後ろから武装してついてくる宇賀神ハンター。

 

 それを他のハンター科のみんなが遠目から見送っていく。

 変な組み合わせだよなあ、逆の立場なら俺も多分そうする。

 

 宇賀神ハンターがついてくるということで、今回の俺たちは無制限に探索していいことになっていた。

 さっさと六十層ほどに行きたいが、人目があるからなぁ。

 俺は忘れずに配信ドローンをあげた。

 

〇きたきたーーー!!お久しぶりだねぇ夜白P

〇うわマジか、有給とっててよかった!

〇再会記念<¥20000>

〇こっちはこうだ!<¥30000>

〇怪我でもしてたの?

〇ばっか、ダンジョンでたあと元気に映ってたじゃねーかw

〇今日朝日てゃいない……


 開始一分もしないうちに凄まじいコメントと、閲覧数が伸びる。

 投げ銭も凄いな……。

 俺はなるべく愛想よく、ダンジョン最下層事件で取り調べ……ならぬ軽い聞き取り調査があったせいで、あれからずっと配信する暇がなかったことを説明した。

 

 遠くからでもわかる巨体の宇賀神ハンターが、少しでも映らないように気を付けながら。

 視聴者に見えたらさっきの説明をすればいいのだが、面倒なんだ。

 どちらかというと、映り込んでいる誠志郎のことが目立たないかと思ったが、配信を見ている人たちは興味がないみたいだ。


〇あっ花鈴チャンネルでやってた、武器の底あげ!今日は凄い活躍見れるかなー?

〇すごくないことむしろあったか?

〇同意w 夜白ニキの戦闘と真顔のシュールさは天下一!

〇うっすらステータス見えた!やば、防御力15000って何?

〇うっそ、ま! 見えた見えた!やばっ!

〇いつの間にかレベル3かよ、こりゃ配信してない間に異世界で修行か?


 異世界からきたが、今世はまだ行ったことはないな。

 花鈴の快挙にはしゃいでしまい、いつもは隠蔽していたところが一部見ていたか。

 

『うっかりですぞ、我が王……』

 

 まあまあ、見えてしまったものは仕方ない。俺のステータスかと言われると、厳密には違うわけだし。

 轟滅黒剣(ごうめつこっけん)の防御力が5000だったことを説明し、花鈴のおかげでさっき15000にあがったことを説明するとコメント欄は大いに盛り上がった。

 

 本当は20000なんだけどな。

 

「今回はこれから、ネクロマンサーの誠志郎の頼みで影魔を捕まえにいきます!」


〇夜白P、また新しくプロデュースしてるw

〇自チーム以外まで助けるやさしさ……神か

〇それで朝日ちゃんおらんのか……

〇次回はいつメンだよね!?

〇支援しまーす!<¥8000>

 

 とっとと終わらせよう。これで次回も朝日に我慢させるわけにはいかないし、視聴者も待っている。

 

「マヒル、結界張ってくれるか? そのまま走れる?」

 

「歩くならできるけど……走れるかなぁ」

 

「わかった、俺が背負うからなんとか維持してくれ」

 

 マヒルを背に背負い――何故かマヒルは真っ赤だった――片手は轟滅黒剣(ごうめつこっけん)を抜き身で持つ。

 

「マヒルの結界が張り次第、誠志郎も全力で走れ! いけるだけ奥にいく」

 

「そそ、それでは道中の敵は!?」

 

「片手で倒す!」

 

 長剣を持ったまま、誠志郎が固まりかけるが、おかまいなしにマヒルの結界が発動した。

 

「走れ!」

 

 結界を張ったのはマヒルと誠志郎の為だ。

 俺が本気で全力疾走すると、おそらく宇賀神ハンターすらついてこれないのでかなり控えめに走る。

 

『我が王、せめてお姫様だっことか』

 

 いや、そしたら手がふさがるだろうが。

 誠志郎は基礎身体強化はやっていたと見えて、ぜーはーしつつもついてくる。

 そして、動画に映らない範囲で宇賀神ハンターも走ってきた。


〇マヒルちゃん片手で抱えてるのに、むっちゃ早い!

〇マヒルたそ、乙女の顔……

〇裏山すぎ。そこを代わってマヒルてゃ!

〇そっちかよww

〇ていうか、モンスター弾き飛ばしてない?

〇剣聖の意味とは……

〇初期から夜白P、その辺の存在感はないからな


 やれやれ、やっと三十層か。

 もう少し潜りたいもんだな。

 

「ぜぇ……はぁ……うえっ」

 

 シルバーフォックスを蹴り倒して背後をみたが、誠志郎が何故か行き倒れていた。

 え? まだ三十層だぞ? 

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