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元大賢者、転生してレベル1からダンジョン配信  作者: 相木ふゆ彦
第三章 四天王編

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第31話 突撃してしまった夜白

「記録用のドローンを飛ばしているが、関係者以外は映像を見れないから安心してくれ」

 

「はあ」

 

 

 大空ハンターの防御服かっこいいなぁと思いながら生返事をしたら、じろりと睨まれた。


「君は何の説明もなしに、こんなところにいきなり呼び出されている。しかも、面識が一切ないハイランカーを前に、なんでそんな泰然としていられるんだ?」

 

 そうか……存在虚偽魔法で勝手に話し合いを見ていたりしてたし、鑑定で勝手に名前を知ったりしてるが、この人らは誰もまだ名乗っていない。

 そんなに不審だったか、俺……。


「私はDCAのシールドガーディアンっていえば、通じるはずなのだけど」


「いえ、ハジメマシテ」

 

 ダンジョン災害対策庁、略してDCAは一番多く覚醒紋者が登録されている。アシスト科やサポート科も多くがここに登録しているそうだ。

 

 桜井さんの場合、他からもギルドへ勧誘されそうだけど……。

 間違って先にプロハンターの動画を見ていたおかげで、この辺の知識はなんとかなる。


「まあまあ、事情があって名乗れないけど、今日はこのメンバーで仲良くやりましょう」

 

 如月ハンターがなだめに入る。

 こっちだけ勝手に名前知っててすまんと思ったけど、向こうはみんな俺の名前を知ってるんだった。うっかり名前呼ばないように気をつけよ。


 『我が王、こやつらの態度が気に食いません』

 

 まあ、俺もだけど。それを理由に一撃入れたら逮捕されるのは俺だ。

 一層から入ったが、パーティーの空気は最悪だ。

 一応俺は如月ハンターと中央で、先頭は大空ハンターと桜井ハンター。しんがりは魔法使いの高坂ハンターの構成で進む。


「この奥に十層への移動魔法陣があります! それにしても魔物が出ませんね……」

 

 移動魔法陣、便利だよなぁ。俺もいちいち瞬間移動するのやめないとな。

 とはいえ、使ったメンバーはあとから履歴で見られるから非公式には使えないけど。

 あー、学校のF級ダンジョンで使えば良かったかな……。

 

『我が王は力任せすぎるのです。もっと一般人が使うルートを模索しないと足が付きますぞ』

 

 だから今それを反省してるんじゃないか。

 ザガンはその辺、召喚魔だから無関係でいいよな。

 俺も来世は召喚魔を目指すか……。

 

『仮にそうなったとして、我が王を召喚魔に呼び出せる者がいるのでしょうか……』

 

 そりゃあ、いつかはいるだろ。


 『何故か納得できませぬ』

 

 魔法陣まで、一切戦闘なくしてついてしまった。

 出てこないというより、息を殺して奥に潜んでいる感じだ。これが十層でもなら、戦うのは違う意味で面倒だな。


「いつもなら――こんなことはないんだが」


「ええ……」

 

 先頭のタンク二人が、ちらりと俺を見る。

 まあ、俺のせいではあるな。謝るとバレるから、知らん顔しとこ。


『我が王、演技力はEランクですぞ……』

 

 いや、割と完璧だったぞ? 自己採点では八十点だ。


「転移、始まります!」


「夜白くん、初めてでしょう。落ち着いてね」

 

 優しい声かけは、全部如月ハンターだ。さすが回復特化。

 そういや前世では、大賢者になる前よく設置させられてたなぁ、この手の魔法陣。

 

 スッと体が軽くなって、目の前の光景が変わる。

 ……前にいたのは、ブラッディオークだよな?

 

 これは、エンペラーオークだ。

 ブラッディオークですら大きさだけはあったのに、エンペラーともなると巨人のようだな。

 そして漂う魔力から、微かに俺の魔力の残滓……。

 なんか、すいません。


「異常なのって、この階だけですか?」

 

「あ、ああ。そうだ……驚かないのか、君は」

 

 大空ハンターの顔に汗が滴っている。

 

『やはり、我が王が古代魔法を放った場所だけ、魔素溜まりが出来ているのでは?』

 

 ああ、俺もそう思う。この下は上級魔法だけだ。学校のF級ダンジョンでも、古代魔法は使ったし……地盤が崩れたのも、六十層で俺が使った古代魔法からゴーレム亜種が生まれて落ちたんだな……。

 うーわー気をつけよっ。

 

「……噂に聞いていたがこんなバケモノだとは」

 

「確かにS級だ。襲い掛かってこないのは謎だが……」

 

「夜白くん、戦えそう? 無理ならすぐにでも撤退を」

 

 そうだな……俺がうかつにはなった魔力から生まれた魔物たち。

 人に危害を加えないように、創造主としてここで葬らねば。

 

「倒しましょう」

 

 俺が轟滅黒剣(ごうめつこっけん)を構えると、プロハンターたちは驚いた。

 でも、俺の力を見にきたんだよな? そんな驚くことなくないか。

 

『ま、我が王の力の片りんを見れば、こやつらも大きな顔はできませんな』

 

 どやっているザガンを放置して、俺はエンペラーオークの中に突っ込んでいった。

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