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元大賢者、転生してレベル1からダンジョン配信  作者: 相木ふゆ彦
第一章 元大賢者(SSランク)、剣聖(SSSランク)になる

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第三話 SSSランクジョブを引く夜白

 長い列が終わり、俺とマヒルは体育館に誘導された。

 ジョブの測定は国が行うが、一部政府承認のマスコミも招かれている。

 

 レアリティの高いジョブを持っているものには、脚光を浴びてスタートするチャンス……らしい。

 ぞろぞろと体育館に入ると、紋章を確認されて一番右に並べと言われた。

 

 鑑定魔法を使うと、一番右がハンターで、真ん中がアシスト。左がサポートジョブに分かれていた。

 ハンタージョブ、案外少ないんだな。武器や武具を扱うアシスト職は二クラスくらい出来そうだ。勾玉紋章のサポート職も、同じくポーション生成組として二クラスくらいいそうだ。

 

「あの、ここにいるってことは剣の紋章だよね?」

 

「ああ、不破夜白ふわやしろ だ」

 

「僕、九条和成くじょうかずなり。よろしくね」

 

「私は七瀬マヒルです」

 

「よろしくね~」

 

 横に並んでいた、眼鏡のふわふわくせ毛頭に話しかけられた。

 アッシュカラーに染めているが、周りほど派手じゃない。まともそうだな。

 

 だんだん俺の中の基準が髪色を主軸に判断しているが、たぶん間違いじゃない。

 

「ちょっと、楓も挨拶しなよ~。ほんとスマイルなし人間なんだからー」

 

「うるせえ。こっちはお前ほどホヨホヨ生きてねーんだよ。一生が決まるってときになんでそうノーテンキなんだっ!」

 

 長髪を軽く束ねた長身の男が、和成につつかれて振り返る。

 緊張しているのか。リラックスできる魔法をかけてやろう。

 

 ――ヒーリングブレイス。

 

「……なんか脱力したんかな、落ち着いた。雪村楓だ。よろしく」

 

 こっちもそれぞれ再度名乗る。

 列のあちこちでマヒルのことをちらちら見てる野郎たちがいる中で、二人とも十分紳士だな。

 

「和成と楓は知り合いなのか?仲がよさそうだけど」

 

「僕ら幼馴染なんだ~」

 

「ただの腐れ縁だ」

 

 二人の返事が同時に被る。主張は揃えてくれ。

 

「え、幼馴染で同じ剣の紋章なのすごいね!うちの中学からはハンタージョブ私だけで」

 

「あちゃー、マヒルちゃん期待しょってるねえ」

 

 話し込んでいると、校長の挨拶が始まった。

 校長はマスコミを意識してか、しきりに髪の毛を触っている。会話の内容は特に深い話はない。

 

 聞いていても何も楽しくないので、俺はハンタークラスを鑑定しながら眺めた。

 ほう、シーカーに剣士にアサシン……水魔法使いに精霊魔法使いか。

 

 だけど全員レベル1のせいで、攻撃力は低いしスキルも一つしかないやつが多い。

 まあ、スキルなんてレベルをあげればついてくるもんだ。

 

「――それでは、これからこの職業測定器で、生徒たちのジョブを発表しましょう」

 

 おおっとどよめきが起きて、その声で立ちながら寝ていた和成が起きる。

 マヒルは手を握り締めて、真剣に話を聞いてたようだ。楓もまじめ組だった。

 

「生徒番号一番、千早誠志郎。前へ」

 

 青髪の生徒が壇上に上がる。まあまあの顔立ちだけど、青髪が似合ってないせいでイケメン感は台無しになっているな。

 

「測定結果は――ネクロマンサー! Aランクジョブ!」 

 

 マスコミが大騒ぎでテレビカメラを回す。生徒側からも、思ったよりどよめきが起きてるな。

 Aランクジョブはそんなにすごいのか。

 

「Aランクジョブだと、全国に数人しか同じジョブの人がいない、すごいレアジョブなんだよ」

 

 ピンときていない俺を見かねたのか、マヒルがこっそり教えてくれた。まあ、周囲がうるさくてこっそりじゃなくてもよかったかもしれんが。

 

 そのあとも、Bランクジョブは全国二十人前後だとか、Cランクジョブで百人前後だとか、色々教えてくれた。

 そんなマヒルはSランクなんだが、それだと何人なんだ……?

 どんどん壇上から後ろに移動していく生徒が増えて、次は楓の番だ。

 

「行ってくる……!」

 

 安心しろ、お前は双剣使いだぞ。

 

「生徒番号二十番、雪村楓。――双剣使い! Cランクジョブ!」

 

 見た目もいいせいか、マスコミの食いつきがいいなぁ。

 楓も、自分の中の期待には沿っていたようでほっとして笑顔を見せていた。

 

「行ってくんね~」

 

 和成が身軽に壇上にあがると、名前を呼ばれている途中で測定器に触れてしまっている。

 

「生徒ばん……ヒーラー! Dランクジョブ! 九条和成」

 

 見事、校長を惑わしたな。いや、背後から楓に殴られてる……仲がいいな。

 問題は、俺の前がマヒルなんだよなぁ。青ざめている顔色に、思わず背中を軽く叩く。しまった、おっさん臭かったかな?

 

「私ね……みんなの安全を守れるような、そんなハンターになりたいんだ。……なれるジョブだといいな。……っ。夜白くん、測定してくるね」

 

「気楽にいけよ」

 

 結果をしってしまってるせいか、無責任なことを言ってしまった。そんな俺にも、マヒルは笑顔を向けてくれる。いい子だなあ。

 

「生徒番号二十四番、七瀬マヒル――け、けけけ賢者!! Sランクっっ!」

 

 響き渡ったあまりの歓声に、俺は無音魔法をかけた。危ない、鼓膜になにか支障をきたすところだった。新手の拷問か?

 あまりにもうるさいな。やはりSランクはこの世界でも重要なんだな。もう少し過去の学校の配信を見て勉強すべきだった。

 

 ん? なぜか俺を手招きしてるな……ああ、無音なんだった。忘れていた。

 

「生徒番号二十五番、不破夜白。早くあがりなさい」

 

 二十五番か、不吉な数字だな……。前世で俺が死んだ年じゃないか、なんだか幸先は悪そうだ。

 ゆっくり壇上にあがる。残った生徒はそう多くないな。ハンター覚醒紋は三十三人ってとこだろう。

 

「生徒番号二十五番、不破夜白――なぁあ?剣聖!! そ、そそそそれにこれはSSSランク……!? そんなことが、ある、のか??」

 

 え? SSSランク? なんだそれは――って、それは大賢者の時SSランクだったから加算されてんの?

 ステータスに隠蔽魔法を慌てて張ったが、また爆発音のような歓声に包まれる。

 

 俺の無音魔法が間に合わないとは……。

 

「もう一度、計測してもらっていいですか? びっくりしたので」

 

 特に驚きはないけど、再測定してもらわないとSSSランクで確定してしまうからな。

 配信で稼ぐにはいいが、Sランクであの騒ぎだったんだからこのままだと俺はパンダを上回って珍獣になりかねん。

 

「再測定します――剣聖!――Sランクジョブ!!」

 

 大賢者のSSは、やはりうまく消えたようだな。珍獣化計画は、無事に回避した。

 なんか、雰囲気どよどよさせてすまない、俺の後の人。

 

 それにしても、剣聖かぁ。はからずともマヒルの予想が当たってしまった。

 もっと防御をもりもりに盛りたかったなぁ。めっちゃ近接ジョブじゃないか。俺にはエンシェントドラゴンの背中というトラウマがあるのに。できるのか、剣で戦うなんて。

 

 不安はあるけど、とりあえずマスコミからくるフラッシュがすっごい眩しい。闇魔法使いたくなるな。

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― 新着の感想 ―
いろんな魔法が使えて便利だなぁ
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