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元大賢者、転生してレベル1からダンジョン配信  作者: 相木ふゆ彦
第二章 SSSランク剣聖の誕生

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第28話 困る剣聖の夜白

「結論はどうでしょうか……? これ以上、無事に戻った生徒たちを拘束するのは……」

 

 校長が、数人の男女に問いかける。

 俺は、存在虚偽魔法で、普通に窓際で堂々と盗聴していた。

 

 客用テーブルには五人の男女が座って、お茶を飲んでいる。……ん? 女性に見覚えが……。動画で見たハンターか?

 

『我が王、お忘れですか? A級ダンジョンに潜った時に姿を見られた方ですぞ』

 

 あーー! あの人か! よく覚えていたな、ザガン。

 

『我が王こそ、何故忘れているのですか……?」

 

 いやーザガンはすごいデーモンだな。記憶力がいい。

 

「何度もお話している通り、不破ふわ夜白やしろくんには謎があります。彼が持ち帰ってきた魔剣は、攻撃力5000の最高値を持つプロハンターでも持ち上げられませんでした」

 

 ……え? 最高が5000なの? 弱すぎないか?

 

『我が王が規格外なのですぞ! そろそろご自覚くだされ』

 

 前世のS級の奴でも、もう少し強かったぞ……。

 しかし、普通に持ち上げられたからそんなこと気が付かなかったな。

 少しうかつ過ぎたか……??

 

「ステータス的にはありえないことです……。紋章者適正審査委員会としては、三度も鑑定して、結果が変わらないことでお手上げです」 

 

 スーツの神経質そうな男がそう言って黙った。この人は、紋章者適正審査委員会の代表か?

 

「そもそもですが、F級ダンジョンで魔物氾濫(スタンピード)が起こることがおかしいのです! あの後ダンジョン災害対策庁が検査した結果、大きな魔素溜まりが発見されました。ゴーレム亜種はそこから生まれたと考えられます」

 

「その件と不破くんとは関連が……」

 

「いえ、私は目撃者です」

 

 シールドガーディアンの女性が手をあげた。鑑定によると、桜井さくらい江連えれんという名前だ。

 

「原宿のA級ダンジョンに、突如現れた人物を私は見かけていますし、記録しています。明らかに不破くんに面影がありました。召喚魔法で見たこともない魔物を従え、私を一層に連れて去りました。そのあとも、あちこちから高密度の魔素溜まりが出てきて、A級ダンジョンには存在しないS級の魔物が出てくるようになっています」

 

 あっちゃあ……。つまり、学校のダンジョンといい俺が古代魔法ぶっぱなした場所で、そういう異常が起きてるのか……。

 つまり、俺の魔力から生まれたゴーレム亜種から轟滅黒剣(ごうめつこっけん)がドロップしたなら、魔力なじみがいいわけだ。

 

 え、A級のダンジョンにS級の魔物……? 俺、生態系? を壊した……?

 

「つまり桜井ハンターは、剣聖ジョブの不破くんが魔法を使えると?」

 

「そうであれば、つじつまが合います」

 

 はあ、とため息をついたのは、大男だ。

 手にしてる湯呑がSサイズに見えるほど、体が大きい。

 

 多分、この中で一番強いのはこの人だな――俺は計算にいれないで、だけど。

 

「ばかばかしいですな。十六のハンターデビュー間もない子が、どうしたらそんな力を得るんです? 厳重な警備をしているダンジョンゲートのセキュリティーをかいくぐったと? 確かに映像が不破くんに似ていたことは確かですが、剣聖が魔法を使うことも、レベル2の彼がステータスにない大魔法を持っていることも、くだらない仮説ですよ」

 

「大空ハンターはじゃあ、あの魔剣を持てるんですか? 配信から戻ったあとも、不破くんは軽々あの魔剣を持っていましたよ?」

 

「それは……」

 

 大空と呼ばれたハンターと、桜井ハンターとで舌戦が始まり、校長と紋章者適正審査委員会が何度か止める。

 どうも、毎日これを繰り返してるようだな……。

 

 だが、俺ばっかり質問攻めな理由がわかったぞ。

 ……ただ、解決策がなんにも浮かばないんだよな。

 

「ともかく、不破くんが何か不正をしたわけでもない。ただ、ステータスと魔剣などがかみ合わない。現状はそれだけですな?」

 

「A級ダンジョンに――」

 

「それも、あくまで似てるというだけですよね?」 

 

 校長は俺をかばっているようだな。

 まあ、一応レア職のSランク生徒だもんな、俺……。

 

「待ってください。――一つ、提案があります」

 

 ずっと押し黙っていた男が、静かに意見を出す。

 なんだ?

 

「ダンジョン災害対策庁から桜井ハンターを。『スカイ』ギルドからは、大空ハンターを。他にギルドに要請を出して、不破くんを例のA級ダンジョンに連れていき、実力を見るのです。戦えなければ、守って帰還すればよし。戦えるようなら、そこでデータを改めて取るということでどうでしょう」

 

「それなら、まあ……」

 

「私も言うことはないです」

 

 え。

 なんか、この眼鏡のひとの意見でみんなまとまり始めたぞ。

 俺はどうしたらいいんだ?

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― 新着の感想 ―
A級ダンジョンに出入りしていたのがバレタ?今までごまかしていたスキルまでバレちゃいそう。どうするヤシロ
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