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元大賢者、転生してレベル1からダンジョン配信  作者: 相木ふゆ彦
第一章 元大賢者(SSランク)、剣聖(SSSランク)になる

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第十八話 一緒に下校する夜白

「しっかし、聞いてて腹が立ったよ。マヒルちゃん、つらかったね」


 放課後の朱雀高のカフェテリアで、俺たちは集まっていた。

 俺、和成、楓、マヒル――そして朝日だ。


 なんか流れでこういうグループになったが、意外と落ち着いていい。

 マヒルが俺たちといることで多少言われていた野次も減るだろう。


 そのマヒルは傷を確認された後、保健室でハイポーションを貰ってケガは治ったそうだ。

 だが、傷は消えても気持ちの痛みは消えない。橘と火乃森ひのもり美琴は、その後の教室でもなんにもなかった顔をしていた。俺が殺意に耐えたのは言うまでもない。


「あんにゃろ、最初はSランクってもてはやしてたくせに、手のひら返しがひでぇわ」


 コーヒーを飲みながら楓が眉をしかめる。え? もてはやされた記憶ないぞ?

 だが、俺も初期から橘逸平があんな態度ならさすがに気が付いている。


 最初はかなわないと思って静観したか、媚びていたのかもな。ところが俺は武器ぶっこわしマシーンだし、マヒルは初級魔法が使えない。早々に調子に乗ったに違いない。


『なぜか少し落ち着かれましたな、我が王』


 まあ、それはマヒルの位置からは和成や楓のほうが近かったのに俺に助けを求めてくれたから、さ?

 マヒルの中で頼れる存在になっていたことは、少し嬉しい。  

       

「ぼくも……ごめんなさい。二人のこと、Sランクで恵まれてるって羨んで、最初まともに話もしなくて。……自分がEランクだったことにひがんでた」


 いきなり朝日に謝られて、少し驚く。

 それで最初話さなかったのか。


「それは全然気にしてないよ。むしろ、あの時水くれたりして本当にありがとう」


「俺はまったく気づいてなかったぞ」


「夜白らしいね~」


 ホイップクリームがてんこ盛りのコーヒーフロートを飲みながら、和成が笑った。本来アイスとコーヒーのはずなのだが、作っているところにお願いを連発して乗せてもらっていた。

 相変わらずちゃっかりしてるな。


「とりあえず、今後は俺とマヒルと朝日でセットだから安心しろ」


「夜白の夜に、マヒルちゃんの昼に朝日ちゃんで、朝昼夜だね! チームワンデイ」


「和成、ちょっとダサい」


 ほう、ちょっと納得してしまった俺はセンスが古いのか?

 こういう時ザガンが黙るし。


「藤川が頼りないのが嫌だな、まあ体育担当みたいなもので生徒の生活までは担当外だからかもしれないけど、なんかなー」


 楓のコーヒーに砂糖を入れるふりして脅した俺は、楓の意見を否定する。


「剣士や魔法使いにかかわらず、覚醒紋の実践担当なんだ。精神を鍛えるのも仕事のうちだ。あんな態度でアビリティインストラクターは困る」


「私も……話したのにあんな煮え切らない態度で……ちょっと大人が信用できなくなったかも」


 そうだよな、当事者としては不快だよな。やはり藤川の剣を破裂させなければ。


『我が王……それは実費で要求されてしまうのでは』


 ……。

 ともかく、急務はマヒルに渡したネックレスを使いこなせるようになることだな。


 召喚を助けてもいいが、俺の魔力が直接混入すると主人が俺になってしまう。あくまでもマヒルが俺の魔力を利用して召喚させるようにせねば。


「マヒル、今日は俺が家まで送るよ」


 朝日も寮生だったらしく、和成たちと寮の話で盛り上がっているうちにそっと声をかけた。

 魔力を慣らすのもだけど、あんな目にあったあと一人では返せない。


「ほんと……?」


 驚くマヒルも可愛い。

 いや、俺はおっさんだ、落ち着け……。

 メンタルを乱すほど可愛いのがずるいんだ。


「じゃあ、俺らは帰るから」


 わざわざ家まで送ると言わなくても、俺とマヒルしかバス組はいない。

 方向は違うが、マヒルの家まで一回送れればなんかあった時に……。

 万一がないとは言い切れないだけだからな! 


『それがしは何も言っておりませぬ』


「ほんとに逆方向だけどいいの……?」


「気にするなよ、寄り道したい気分だし」


 ……キザか? しかし他に言いようがない。

 みんなに別れを告げると、俺たちはバスに乗った。


 ――なるほど? 確かに酷い。めちゃくちゃに混んでいる。


「ごめんね、夜白くん」


 密着というか、マヒルを痴漢などから守る体勢なため、非常においし――大変な任務だ。

 そして、これだけくっついていればネックレスに魔力をなじませることが出来る。


 マヒルから伝わる魔力に似せた波長を送りなおすことによって、ネックレスの魔力がマヒルに流れ込んでいくのが分かる。


「すごい人だね……!」


 マヒルの額から汗が流れる。

 すまん、マヒル。魔力が循環しているから少しだけ苦しいと思うけど我慢してくれ。

 あと少しだから……。


『我が王、心臓の音が速いですがご無事ですか』


 気にするな。これは……ただの自然の理だ。

 そのあとは、無事にマヒルを家まで送り届けた。マヒルによく似た母親にも挨拶され、食事に誘われたが断った。いきなり来てそれは図々しいからな。


 人目のないところで瞬間移動して帰宅した。


 さ、て。

 ザガンが他の上級ダンジョンの場所を抑えた。


 ここは、いっちょひと暴れしてやりますか。

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