表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
彼女 ―桜は光の粒のように― 〜同じ記憶を持つ彼女が、二人いる世界で〜  作者: 雷火
第1章 彼女は少しおかしい

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

5/27

第5話 LINE交換

昼休みが終わるころ、

教室のざわめきも少し落ち着いていた。


弁当箱を片付けながら、

彼女がこちらを見る。


「ねえ」


「うん?」


少しだけ間。


「連絡先、交換しない?」


自然な言い方だった。


でも、


タイミングが正確すぎる気がした。


「LINEでいい?」


「うん」


スマートフォンを取り出す。


彼女も同じように操作する。


無駄がない。


迷いがない。


「これで」


画面を向ける。


彼女が近づける。


ピッ。


その瞬間。


画面が一瞬だけ揺れた。


ノイズのように。


「……?」


すぐに元に戻る。


「どうしたの?」


「いや……今」


言いかけて、やめる。


説明できない。


「これで、つながったね」


彼女は微笑む。


僕の画面に名前が表示される。


彼女はそれを見て言う。


「不思議だね」


「何が?」


「さっきまで知らなかったのに」


「……たしかに」


彼女は画面を見つめる。


ほんの一瞬。


止まる。


「これで、学校の外でも話せるね」


その言葉に、


少しだけ温度があった。


「そうだね」


チャイムが鳴る。


彼女はスマートフォンをしまう。


「あとで送ってみるね」


それが最初の約束だった。


帰宅後。


スマートフォンが鳴る。


『今日はありがとう』


短いメッセージ。


僕は返信する。


『こちらこそ。楽しかった』


送信。


——その瞬間。


既読。


「……は?」


早いとかじゃない。


“同時”だった。


数秒も経たないうちに、


『私も』


続けて届く。


画面を見る。


時間表示は変わっていない。


ラグがない。


間がない。


「……そんなことあるか?」


そのとき、


次のメッセージが届く。


『今、打とうとしてた?』


指が止まる。


まだ何も送っていない。


心臓が、わずかに鳴る。


本日分、ここまで読んでいただきありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ