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第26話 限界の認識
数週間。
毎日、部室に通った。
モーター。
センサー。
基板。
小さなロボットは完成した。
歩く。
避ける。
動く。
周りは評価する。
「すごい」
「大会いけるぞ」
でも。
違う。
全然違う。
机の上のロボットを見る。
プラスチック。
機械。
命ではない。
僕が欲しいのは――
“彼女”だ。
ポケットのチップを握る。
「これじゃ足りない」
明確だった。
設備が足りない。
知識が足りない。
環境が足りない。
ここでは無理だ。
そのとき。
後ろから声がする。
「やっと気づいたか」
顧問だった。
「お前がやろうとしてるのは、ここじゃ無理だ」
その通りだった。
「でも」
少しだけ間を置く。
「行ける場所がある」
顔を上げる。
「研究所だ」
その言葉で、すべてが繋がる。
彼女のデータ。
あの精度。
あの準備。
――最初から、ここに繋げるためだった。
「行きます」
迷いはなかった。
本日分、ここまで読んでいただきありがとうございます。




