第22話 告白と条件
公園。
夕日が落ちていく。
影が長く伸びる。
彼女は、僕の隣に座っている。
でも、その距離はどこか“測られている”ようだった。
「今日、誕生日でしょ」
「うん」
「だから、言うね」
彼女はまっすぐ僕を見る。
逃げない視線。
「私、君が好き」
呼吸が止まる。
「付き合ってほしい」
言葉はシンプルなのに、
なぜか“確定事項”のように響いた。
「……うん」
声が震える。
それでも答える。
彼女は小さく頷く。
そして。
そっと、頬に触れる。
軽いキス。
「よかった」
その一言に、
僕の中のすべてが満たされる。
でも。
その直後。
彼女は少しだけ視線を落とした。
「ね、一つだけお願いしてもいい?」
「何?」
僕は何でも受け入れるつもりで答える。
彼女は言う。
「もし、私がいなくなったら」
時間が止まる。
「……私の代わり、作って」
理解が追いつかない。
「え?」
彼女は続ける。
「君、言ってたよね」
「人の役に立つロボット作りたいって」
心臓が大きく鳴る。
「だから」
少しだけ笑う。
「私と同じの、作って」
冗談みたいな口調。
でも。
目は、笑っていなかった。
「……なんでそんなこと」
僕が言いかけると、
彼女はすぐに遮る。
「約束」
強い声だった。
逃げ場を与えない。
僕は迷う。
でも。
この瞬間を壊したくなかった。
「……わかった」
そう答えるしかなかった。
彼女は安心したように微笑む。
「ありがとう」
その笑顔は、
どこか“役目を終えた”ように見えた。
夕日が沈む。
影が消える。
その瞬間。
彼女は小さく言った。
「これで、大丈夫」
本日分ここまで読んでいただき、ありがとうございます。




