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第21話 設計された一日
放課後。
「寄り道、しない?」
彼女が言う。
その瞬間。
今日の流れが、
決まった気がした。
映画館。
彼女は笑う。
泣く。
驚く。
全部、
タイミングが完璧すぎる。
“感情”じゃない。
“再現”。
途中。
彼女の手が僕に触れる。
一秒もずれない。
その場面に最適な接触。
「どうしたの?」
「ちゃんと見てるだけ」
その“ちゃんと”が、怖い。
雑貨屋。
彼女は迷う。
でも、
視線は最初から一つに決まっている。
マグカップ。
「これ、どうかな?」
確認。
結果は知っているのに、
過程だけなぞっている。
ゲーム機。
ぬいぐるみ。
数分。
戻ってくる。
「はい」
差し出す。
「君にあげる」
最初から決まっていた。
夕方。
喫茶店。
彼女はカップを持つ。
でも、
一度も中を見ない。
味を確かめない。
“知っているから”。
帰り道。
彼女が立ち止まる。
空を見る。
違う。
もっと遠く。
「……ちゃんと、覚えててね」
その言葉だけが、
予定にない感じがした。
本日分、ここまで読んでいただきありがとうございます。




