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現実世界にダンジョンが現れたが、俺は誰にも従わない  作者: HATENA 
第6章「上位存在」

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第91話「資格」

 『資格取得』


 音はない。


 だが、その言葉が落ちた瞬間、確実に何かが“変わる”。


 「……っ」


 感覚。


 視界。


 認識の幅。


 全部が一度に押し広げられる。


 「……見えるな」


 世界。


 いや——。


 「……構造か」


 空間の裏側。


 流れ。


 繋がり。


 今までただ存在しているとしか思っていなかったものの骨組みが、薄く透けて見えた。


 「……全部見える」


 “それ”が静かに立つ。


 『認識更新完了』


 「……そうか」


 軽く息を吐く。


 今までとの違いが、言葉にするより先に体へ馴染んでいく。


 「……分かったな」


 『干渉可能範囲解放』


 その瞬間、世界が“開く”。


 基地。


 都市。


 ダンジョン。


 遠く離れているはずのものが、距離を失って同時に視界へ入ってくる。


 「……やりすぎだな」


 少し笑う。


 「……全部触れる」


 “それ”が続ける。


 『制限あり』


 「……だろうな」


 その時だった。


 広がった視界の中に、ひとつだけ明らかな違和感が走る。


 「……なんだ」


 一点。


 世界の外。


 さらに外。


 今触れられる範囲より、もう一段遠い場所。


 「……まだ上があるな」


 “それ”がわずかに反応した。


 『未到達領域』


 「ああ」


 「……行く」


 迷いはない。


 “それ”が最後に告げる。


 『危険度:極大』


 「……いい」


 少しだけ笑う。


 「……関係ねぇ」


 視線を上へ向ける。


 世界の外。


 さらに外。


 「……次だな」


 その時、視界が戻った。


 現実。


 基地。


 神崎とレオン。


 「……戻ったか」

 人の声が一気に戻ってくる。

 だが、少し遠い。


 神崎がすぐ駆け寄る。


 「おい、大丈夫か!」


 「……問題ねぇ」


 レオンが静かにこちらを見る。


 「……変わったな」


 「……ああ」


 短く返す。


 「……見える」


 世界の裏。


 構造。


 繋がり。


 全部。


 神崎が苦笑する。


 「……もう人じゃねぇな」


 「……どうだろうな」


 少しだけ笑う。


 「……まだ上がある」

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