第85話「管理」
「……ここで止まる気はねぇ」
剣がぶつかる。
押し合い。
影——
いや。
“それ”がこちらを見る。
「……来るぞ」
次の瞬間。
空間が“書き換わる”。
「……っ?」
足元が消える。
上下が反転する。
「……なんだこれ」
神崎が叫ぶ。
「景色が変わってる!」
レオンが静かに言う。
「……空間構造の変更」
「……管理側だ」
「……なるほどな」
笑う。
「……環境じゃない」
「……ルールだな」
その瞬間。
“それ”が動く。
今までより正確。
速い。
「……来る」
未来視。
「……見える」
回避。
だが——
「……ズレる」
位置が変わる。
「……空間ごと操作か」
神崎が歯を食いしばる。
「やりたい放題かよ!」
「……だな」
だが——
「……関係ねぇ」
踏み込む。
「——斬る!」
——ガキンッ!!
ぶつかる。
「……通るな」
今までより明確に。
「……いい」
“それ”が反応する。
空間がさらに歪む。
「……上げてきたな」
重力が変わる。
時間の流れがズレる。
「……全部来るな」
だが——
「……分かる」
ズレ。
流れ。
「……同じだ」
根は一つ。
「……制御点あるな」
“それ”を見る。
胸。
わずかに歪む。
「……そこだ」
踏み込む。
“それ”が反応する。
空間が閉じる。
だが——
「……遅い」
無理やり通る。
「——斬る!」
——バキィッ!!
“それ”が揺れる。
「……効いてる!」
神崎が叫ぶ。
レオンが前に出る。
「……押し込む」
圧が重なる。
空間の歪みが乱れる。
「……崩れるな」
制御が不安定になる。
「……いい」
笑う。
「……奪えるな」
その瞬間。
“それ”の気配が変わる。
さらに上。
「……まだあるか」
低く呟く。
「……いい」
剣を構える。
「……全部壊す」




