第84話「中枢」
「……全部上だ」
踏み込む。
歪みが変わる。
さっきまでと違う。
「……濃いな」
空間の圧が増す。
「……ここ、中心に近いな」
レオンが静かに言う。
「……ああ」
確信。
「……中枢だ」
影が現れる。
だが——
「……少ねぇな」
数が減っている。
その代わり——
「……質が上がってる」
一体。
だが、重い。
「……来るぞ」
影が動く。
遅い。
だが——
「……来る」
回避。
——ドンッ!!
空間が崩れる。
「……重すぎるな」
踏み込む。
「——斬る!」
——ガキンッ!!
止まる。
「……硬ぇ」
今までと違う。
明確に。
「……別格だな」
神崎が低く言う。
「今までの雑魚じゃねぇぞ」
「……ああ」
その時。
空間が脈打つ。
——ドクン。
「……来るな」
影が変形する。
人型に近づく。
「……は?」
顔。
腕。
形が“安定”する。
「……進化してるな」
レオンが言う。
「……中枢に近いほど、形を持つ」
「……なるほどな」
つまり——
「……管理側に近い」
その瞬間。
影が口を開く。
「……は?」
音はない。
だが——
「……伝わるな」
“意思”。
直接、流れ込む。
『排除』
「……いいな」
笑う。
「……分かりやすい」
踏み込む。
影も動く。
今までより正確。
「……来る」
未来視。
「……見えるな」
回避。
そのまま——
「——斬る!」
——ガキンッ!!
今度は弾かれない。
押し合い。
「……やるな」
影の圧が上がる。
「……いい」
笑う。
「……楽しくなってきた」
剣を押し込む。
「……ここで止まる気はねぇ」




