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現実世界にダンジョンが現れたが、俺は誰にも従わない  作者: HATENA 
第1章「最難関ダンジョンの孤独な開拓者」

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第6話「再起」

 ——ピピピピピ。


 耳障りなアラーム音で目が覚めた。


 「……っ……朝か」


 体を起こした瞬間、右目の奥に鈍い痛みが走る。


 だが、昨日ほどではない。


 ゆっくりと包帯に触れる。


 血は止まっている。


 「……とりあえず、死にはしなかったな」


 スマホを見る。


 未読通知はさらに増えていた。


 ニュース、SNS、動画。


 すべてが「ダンジョン」で埋め尽くされている。


 『日本各地でダンジョン確認 自衛隊が警戒強化』


 『民間人の無断侵入による死亡事故多数』


 『覚醒者と呼ばれる存在、確認される』


 「……覚醒者、ね」


 自分のステータスを開く。


 この時点で、俺は確実に“そっち側”だ。


 だが——


 「……まだ弱すぎる」


 あのスケルトンナイト。


 あれが基準なら、今の俺はゴミ同然だ。


 立ち上がり、ゆっくりと体を動かす。


 昨日よりは動く。


 だが、全力は出せない。


 「……まずは回復だな」


 回復薬(中)を取り出す。


 小瓶の中で、淡い光が揺れている。


 「……これ、本当に効くんだよな?」


 躊躇いながらも、一気に飲み干す。


 ——ジワッ。


 体の奥から、何かが満ちてくる感覚。


 右目の痛みが、明らかに軽くなった。


 「……すげぇなこれ」


 完全に治ったわけではない。


 だが、戦闘に支障はないレベルまで回復した。


 「……行くか」


 迷いはなかった。


 昨日の恐怖は、まだ残っている。


 だがそれ以上に——


 「このままじゃ、すぐ死ぬ」


 それが理解できている。


 装備を整える。


 腰に《天羽々斬》。


 ポケットに回復薬(小)。


 そして——


 「……ステータス改竄」


 【偽装設定】

 ・職業:無職

 ・レベル:1

 ・戦闘力:10


 「……これで、少なくとも目立たない」


 この世界、情報戦になる。


 強さを見せるのは、まだ早い。


 玄関の扉を開ける。


 冷たい朝の空気が流れ込んできた。


 「……今日から、本格的に始める」


 再び、山へ向かう。


 あの洞窟へ。


 自分の“領域”へ。


 入口に立つ。


 昨日と同じ、静寂。


 だが——


 「……昨日とは違う」


 今の俺は、“知っている”。


 ここが地獄だと。


 門をくぐる。


 暗闇の中へ。


 ——ガルル……。


 低い唸り声。


 視線を向ける。


 そこにいたのは——


 昨日のウルフだった。


 「……お前」


 ウルフはこちらを見つめる。


 敵意はない。


 むしろ——


 わずかに、尾が揺れていた。


 【テイム対象】

 ・ウルフ(骨好き)

 ・状態:興味(中)→好意(低)


 「……来るか?」


 そう呟いた瞬間。


 ウルフはゆっくりと歩み寄り——


 俺の隣に並んだ。


 「……マジか」


 その体からは、昨日と同じ血の匂いがする。


 だが今は——


 頼もしい。


 「……よし、相棒」


 自然と口から出た言葉。


 ウルフが小さく吠える。


 ——ここからだ。


 本当のスタートは。


 「まずは……弱い敵を探す」


 昨日の失敗を繰り返さない。


 無理はしない。


 確実に積み上げる。


 そう決めた瞬間。


 奥の暗闇から、複数の気配が近づいてくる。


 カタカタ……。


 カタカタカタ……。


 「……来たな」


 剣を抜く。


 ウルフが低く構える。


 「……行くぞ」

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魔法のオーブをどうして使用しないのか理解できない。
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