第59話「適応」
「……本気だな」
影が動く。
今度は——
「……見える」
輪郭。
動き。
わずかに。
「……合わせてきてるな」
神崎が構える。
「こっちのやり方に対応してる」
「……だろうな」
なら——
「……さらに上げる」
踏み込む。
影も動く。
「……速い」
だが——
「……読める」
回避。
そのまま——
「——斬る!」
——ザッ!!
今までより深い。
「……入るな」
影が揺れる。
だが——
すぐに動く。
「……止まらねぇな」
神崎が突っ込む。
「俺も行く!」
拳。
——ドンッ!!
当たる。
レオンが動く。
「……合わせる」
圧。
影の動きが一瞬鈍る。
「……今だ!」
踏み込む。
「……全部使う」
火。
風。
水。
土。
さらに——
「……乗せる」
力を重ねる。
「——斬る!」
——バキィィッ!!
大きく裂ける。
「……いける!」
影が揺れる。
崩れかける。
だが——
「……まだだ」
中心。
「……核あるな」
わずかに見える。
「……あれだ」
踏み込む。
影が反応する。
今まで以上。
「……速い!」
未来視。
「……見えた」
ギリギリ。
回避。
「……届く」
一直線。
「——貫け!」
剣を突き込む。
——バキィィィッ!!
核に当たる。
「……これで」
さらに押し込む。
「——終わりだ」
——パキン。
核が砕ける。
その瞬間。
影が止まる。
静寂。
「……終わったな」
崩れる。
音もなく。
消える。
「……はぁ……」
息を吐く。
神崎が笑う。
「なんだよこれ……」
レオンが静かに見る。
「……別格だな」
「……ああ」
空を見る。
裂け目は消えている。
だが——
「……まだ来るな」
確信。
「……ああ」
神崎も頷く。
「……終わりじゃねぇ」
少しだけ笑う。
「……いいな」




