第58話「接触」
「……次は当てる」
踏み込む。
視覚は使わない。
「……感じろ」
影が動く。
音はない。
気配もない。
だが——
「……そこ」
体が先に動く。
回避。
そのまま——
「……入る」
剣を振る。
——スッ。
「……当たった?」
感触が薄い。
だが——
影が、わずかに揺れる。
「……効いてるな」
神崎が目を見開く。
「マジかよ……」
レオンが静かに見る。
「……触れたか」
「……ああ」
確信。
「……これならいける」
踏み込む。
連続。
「……そこ」
斬る。
——スッ。
「……まただ」
影が揺れる。
だが——
すぐに戻る。
「……浅いな」
まだ足りない。
「……もっとだ」
踏み込む。
影が動く。
今度は——
「……速い」
だが——
「……見えてる」
いや。
「……感じてる」
回避。
そのまま——
「——斬る!」
——ザッ。
今度は違う。
「……入ったな」
影の動きが止まる。
わずかに。
「……効くぞ!」
神崎が叫ぶ。
「……合わせろ」
短く言う。
神崎が踏み込む。
「行くぞ!」
拳。
——ドンッ。
当たる。
「……いける!」
レオンも動く。
「……今だ」
同時。
影を挟む。
「……逃がさねぇ」
在真、前。
神崎、右。
レオン、左。
「……行くぞ」
踏み込む。
「……全部乗せる」
火。
風。
水。
土。
集中。
「——叩き込む!」
——ドォォン!!
影が、大きく揺れる。
「……効いてる!」
だが——
まだ崩れない。
「……硬ぇな」
その瞬間。
影が動く。
今までと違う。
「……来る!」
空気が変わる。
「……段階上がるぞ」
レオンが言う。
影が、形を変える。
より明確に。
「……見えるようになった?」
神崎が呟く。
「……違うな」
目を細める。
「……こっちに合わせてきてる」
戦い方が変わる。
つまり——
「……本気だな」
少しだけ笑う。
「……いいな」
剣を構える。




