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現実世界にダンジョンが現れたが、俺は誰にも従わない  作者: HATENA 
第3章「境界外」

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第56話「境界」

 夜。


 空が、揺れる。


 「……来たな」


 外に出る。


 風が止まっている。


 音がない。


 「……おかしいな」


 神崎が周囲を見る。


 「……静かすぎる」


 その瞬間。


 ——ピシッ。


 音。


 空。


 「……割れた?」


 細い線。


 それが——


 広がる。


 「……来るぞ」


 レオンが前に出る。


 全員、構える。


 「……これは」


 今までと違う。


 圧がない。


 だが——


 「……軽すぎる」


 逆に。


 嫌な感覚。


 次の瞬間。


 ——パキン。


 空が“開く”。


 音もなく。


 そこから——


 “何か”が落ちる。


 ゆっくり。


 静かに。


 「……人?」


 影。


 形は人間。


 だが——


 違う。


 「……気配がねぇ」


 存在感がない。


 なのに——


 そこにいる。


 「……やばいな」


 神崎が小さく呟く。


 レオンが一歩前に出る。


 「……止まれ」


 声をかける。


 だが——


 反応がない。


 そのまま、地面に降りる。


 「……動くぞ」


 影が顔を上げる。


 その瞬間。


 全員が理解する。


 「……違うな」


 今までと。


 「……これは」


 言葉が出ない。


 影が、一歩踏み出す。


 ——ドンッ。


 何もしていない。


 だが——


 地面が沈む。


 「……は?」


 圧じゃない。


 “存在”で押している。


 「……おいおい」


 神崎が笑う。


 「……なんだよこれ」


 レオンの目が細くなる。


 「……下がれ」


 短い指示。


 だが——


 「……いや」


 前に出る。


 「……在真」


 神崎が呼ぶ。


 「……分かってる」


 視線を向ける。


 影。


 「……強いな」


 それだけでいい。


 踏み込む。


 その瞬間——


 視界が“消える”。


 「……っ?」


 何も見えない。


 音もない。


 「……なんだこれ」


 次の瞬間。


 ——ドンッ。


 体が吹き飛ぶ。


 「……ぐっ!」


 地面を転がる。


 「……見えねぇ」


 起き上がる。


 影は——


 動いていない。


 「……おい」


 神崎が構える。


 レオンも前に出る。


 「……別格だ」


 誰が見ても分かる。


 「……いいな」


 笑う。


 「……最高だ」


 剣を構える。

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