第51話「主」
「……行くぞ」
踏み込む。
“それ”が動く。
遅い。
そう見えた——
次の瞬間。
——消える。
「……は?」
未来視。
「……見えねぇ」
直後。
——ドンッ!!
衝撃。
体が揺れる。
「……速いな」
後ろに飛ぶ。
距離を取る。
視線の先。
“主”。
人型。
だが——
歪んでいる。
空間ごと、ズレている。
「……普通じゃねぇな」
神崎が横に来る。
「……今までのとは別だ」
レオンも前に出る。
「全員で行く」
短い指示。
「……いいな」
踏み込む。
同時。
「……風」
加速。
主の側面へ。
だが——
「……いねぇ」
消える。
「……またか」
背後。
「……来る!」
回避。
——ドンッ!!
地面が砕ける。
「……面倒だな」
神崎が突っ込む。
拳。
だが——
空振り。
「……当たらねぇ!」
レオンが動く。
「止める」
次の瞬間。
空気が変わる。
「……っ」
主の動きが一瞬止まる。
「……今だ!」
踏み込む。
「——斬る!」
剣を振る。
——ガキンッ!!
止まる。
「……硬ぇな」
だが——
「……効いてる」
わずかにヒビ。
主が動く。
今度は——
「……速すぎる」
未来視が追いつかない。
——ドンッ!!
直撃。
「……ぐっ!」
吹き飛ぶ。
「在真!」
神崎の声。
「……問題ねぇ」
立ち上がる。
「……いいな」
笑う。
「……強い」
主を見る。
「……だからいい」
踏み込む。
「……次で当てる」
未来視。
限界まで引き上げる。
断片。
「……見えた」
わずかに。
「……そこだ」
踏み込む。
主が動く。
だが——
「……読める」
回避。
同時に——
「……入る」
剣を突き込む。
——バキッ!!
ヒビが広がる。
「……いける!」
その瞬間。
主の気配が変わる。
「……来るな」
空気が歪む。
全員が止まる。
「……上がるぞ」
レオンが言う。
「……第二段階だ」
主が、変わる。




