第48話「上位層」
基地の奥。
普段は入れない区画。
「……ここか」
神崎と並んで歩く。
警備が増えている。
視線も厳しい。
「……完全に別扱いだな」
「上位だけが入れる場所だ」
神崎が小さく言う。
「……なるほどな」
扉が開く。
中。
広い。
だが——
人数は少ない。
「……強いな」
一瞬で分かる。
ここにいる全員。
「……レベルが違う」
視線が集まる。
誰も動かない。
だが——
圧がある。
「……いいな」
少しだけ笑う。
その時。
「来たか」
声。
さっきの男。
「……お前か」
「……ああ」
近づいてくる。
距離が詰まる。
「……改めてだ」
「俺はレオン」
短い名乗り。
「……在真だ」
返す。
握手はない。
ただ、見る。
「……やっぱり強いな」
レオンが言う。
「……そっちもな」
短く返す。
その瞬間。
周囲の空気がわずかに揺れる。
「……やめろ」
誰かが言う。
だが——
レオンが少しだけ力を出す。
「……圧か」
感じる。
普通なら動けなくなるレベル。
だが——
「……効かねぇな」
一歩前に出る。
レオンの目がわずかに細くなる。
「……いいな」
圧が消える。
「……本物だ」
周囲の視線が変わる。
完全に——
認められた。
「……で」
レオンが視線を外す。
「呼ばれた理由、分かるか」
「……大体は」
同時発生。
他国。
上位層。
「……その通りだ」
レオンが頷く。
「ここから先は——」
少しだけ間が空く。
「遊びじゃない」
「……最初からだ」
短く返す。
レオンが笑う。
「……いいな」
その時。
中央のスクリーンが点灯する。
映像。
巨大な“何か”。
「……なんだこれ」
今までと違う。
ダンジョンじゃない。
「……まだ発生してない」
レオンが言う。
「だが——」
映像が拡大される。
「……確実に来る」
静寂。
「……でかいな」
神崎が呟く。
「……ああ」
視線を外さない。
「……これは」
確信。
「……今までと違うな」
レオンが頷く。
「だから呼んだ」
視線が集まる。
「……ここにいる全員で潰す」
空気が変わる。




