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現実世界にダンジョンが現れたが、俺は誰にも従わない  作者: HATENA 
第2章「覚醒者」

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第46話「変化」

 静かだった。


 さっきまでの圧が、嘘みたいに消えている。


 「……軽くなったな」


 空気。


 地面。


 全部、元に戻っていく。

 神崎が周囲を見る。


 「……静かだな」


 「……ああ」


 剣を軽く振る。


 手応えが違う。


 今までよりも、侵食の気配に対してこちらの感覚のほうが負けなくなっている。


 「……また上がってるな」


 ウィンドウが開いた。


 【討伐】


 侵食巨人を撃破しました


 【報酬】


 ・特殊スキル:侵食適応

 ・DP:1億5000万


 【レベルアップ】


 Lv35 → Lv39

 攻撃力:370 → 430

 防御力:220 → 260


 【武器成長】


 天羽々斬 Lv35 → Lv40

 攻撃力+370 → +450


 「……悪くねぇな」


 神崎が苦笑する。


 「お前、上がり方おかしいぞ」


 「……そうか?」


 「そうだ」


 その時——。


 ——ブオォォォン。


 上空。


 ヘリ。


 「……早いな」


 着陸。


 扉が開く。


 数人の覚醒者と兵士が降りてくる。

 その一人が周囲を見回して呟く。


 「……終わってるのか」


 在真は短く返す。


 「……ああ」

 その一言で、降りてきた連中の足が一瞬だけ止まった。

 視線だけが、数拍遅れてこちらへ戻ってくる。


 崩壊跡。


 巨大な穴。


 そして何もない中心部。

 それだけで十分だった。


 「……マジかよ」


 空気が変わる。


 完全に、評価が固まる。

 評価というより、誰もすぐには近づいてこない感じだった。


 「……一人でやったのか?」


 「……神崎とだ」


 「……それでも十分おかしい」


 ざわつき。


 在真は特に気にしない。


 「……まあいい」


 その時、さっきの政府の男が近づいてくる。


 「……確認しました」


 「……早いな」


 「映像で」


 短く答える。


 「……そうか」


 男が一度だけ頷く。


 「……想定以上です」


 「……だろうな」


 「これで——」


 言葉を区切る。


 「状況が変わります」


 在真は視線を向けた。


 「……どう変わる」


 少しの間。


 男が言う。


 「国家間の動きが始まります」


 神崎が反応する。


 「……は?」


 「……他国も動く」


 「覚醒者の奪い合い」


 「ダンジョンの取り合い」


 在真は納得した。


 「……そうなるか」


 「……で」


 視線を向ける。


 「俺はどうなる」


 男がまっすぐこちらを見た。


 「……中心になります」


 少しだけ笑う。


 「……面倒だな」


 だが——。


 空を見る。


 広い。


 「……悪くない」


 ガルが隣に来る。


 神崎が肩をすくめる。


 「……忙しくなるぞ」


 「……だろうな」

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