第44話「深部」
「……来るぞ」
影が、動く。
——ドンッ。
地面が沈む。
「……でかすぎるな」
視界の奥。
ゆっくりと姿を現す。
人型。
だが——
サイズが違う。
ビルに届くほどの高さ。
「……巨人か」
神崎が構える。
「ただのじゃねぇな」
黒い。
全身が、侵食されたように歪んでいる。
「……来る」
未来視。
断片。
「……踏み込み」
次の瞬間。
——ドォン!!
足が落ちる。
地面が爆ぜる。
「……範囲広すぎるな」
横へ。
最小で回避。
だが——
衝撃が来る。
「……っ」
体が揺れる。
「……ただの踏み込みじゃねぇな」
波が来ている。
「……面白い」
踏み込む。
「……風」
加速。
巨人の側面へ。
「……硬いな」
斬る。
——ガキンッ。
弾かれる。
「……通らねぇ」
その瞬間。
巨人の腕が動く。
「……速い」
未来視。
「……上」
避ける。
だが——
腕が伸びる。
「……変形か」
——ドンッ!!
地面ごと叩きつけられる。
「……厄介だな」
神崎が横から入る。
「こっちも通らねぇ!」
拳が弾かれている。
「……じゃあ」
視線を上へ。
「……中だな」
外側が硬いなら——
内部。
「……神崎!」
「分かってる!」
同時に動く。
「……開ける」
踏み込む。
連続で斬る。
——ガキンッ!!
——ガキンッ!!
少しずつ削る。
「……硬ぇな」
だが——
「……入る」
ヒビ。
そこへ——
「……風」
集中。
「……押し込む」
——バキッ!!
装甲が割れる。
「……見えた」
内部。
黒い塊。
「……核だな」
その瞬間。
巨人が咆哮する。
——ゴォォォォ!!
圧が変わる。
「……来るな」
未来視。
だが——
「……見えねぇ」
次の動きが読めない。
「……上がったか」
神崎が距離を取る。
「……やばいぞ、これ」
「……ああ」
だが——
「……関係ねぇな」
踏み込む。
「……壊す」




