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現実世界にダンジョンが現れたが、俺は誰にも従わない  作者: HATENA 
第2章「覚醒者」

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第36話「核」

 侵食体を倒したあとも、空気の重さは消えなかった。

 むしろ、奥へ進むほど濃くなる。


 「……濃くなってるな」


 魔力だけじゃない。

 空間そのものが、こちらを飲み込もうとしている感じがある。

 神崎も同じことを感じていた。


 「……これ、中心に近いな」


 「……ああ」


 周囲を見る。


 崩れた建物。


 歪んだ空間。


 まるで現実とダンジョンが、雑に混ぜられているみたいだった。


 「……侵食型ってこうなるのか」


 神崎が短く答える。


 「完全に飲み込まれると、元に戻らない」


 「……だから早く潰す必要がある」


 「……なるほどな」


 進む。


 敵は出ない。


 それが逆に気味が悪い。


 「……静かすぎる」


 嫌な予感。


 未来視を使う。


 だが——。


 「……見えない」


 何も引っかからない。


 神崎が低く言う。


 「……逆に怖ぇな」


 その時——。


 ——ドクン。


 音。


 心臓のような。


 「……聞こえたか」


 「……ああ」


 もう一度。


 ——ドクン。


 確実に、奥から。


 「……行くぞ」


 速度を上げる。


 通路を抜ける。


 そして——。


 開けた空間。


 その中央にあったのは、巨大な“塊”だった。


 肉のような。


 黒い。


 脈打つ塊。


 「……これが核か」


 詳細鑑定。


 【侵食核】


 Lv???


 ・特性:無限生成


 ・再生:極大


 ・弱点:不明


 「……また不明か」

 その瞬間、塊が脈打つ。


 ——ドクンッ!!


 周囲から侵食体が“湧く”。


 「……無限かよ」


 神崎が舌打ちする。


 「キリがねぇぞ」


 在真は冷静に見る。


 生成位置。


 タイミング。


 脈動との関係。


 「……核から出てる」

 「……元を潰すしかない」


 「……どうやる」


 「……直接いく」


 シンプル。


 神崎が笑う。


 「……無茶だな」


 「……いつもだ」


 踏み込む。


 侵食体が前に出る。


 「……邪魔だ」


 風。


 ——シュンッ!!


 まとめて削る。


 水。


 流す。


 土。


 固定。


 「……抜ける」


 強引に突破する。


 だが——。


 「……再生速ぇな」


 後ろから追ってくる。


 「……時間ねぇな」


 核の前へ。


 近くで見ると、さらに異様だった。


 「……でけぇな」


 「……どう壊す」


 未来視を走らせる。

 だが、何も見えない。


 「……なら」


 剣を構える。


 「……叩き込む」


 踏み込む。


 全力で振る。


 ——ガンッ!!


 弾かれる。


 「……硬すぎるな」


 神崎が後ろで防ぎながら叫ぶ。


 「早くしろ!」


 「……分かってる」


 観察する。


 脈動。


 「……タイミングか」


 鼓動。


 ——ドクン。


 その瞬間、表面がわずかに柔らかくなる。


 「……そこだ」


 踏み込む。


 「——斬る!」


 ——ザシュッ!!


 今度は入る。


 「……いける!」


 もう一度。


 ——ドクン。


 合わせる。


 「……今だ!」


 深く突き込む。


 「——貫け!」


 内部へ。


 手応え。


 だが——。


 核が大きく脈打つ。


 ——ドクンッ!!


 衝撃。


 「……っ!」


 弾き飛ばされる。


 「……まだ足りねぇか」


 神崎が横に並ぶ。


 「……あと一押しだ」


 「……ああ」


 「……これで終わらせる」

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