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現実世界にダンジョンが現れたが、俺は誰にも従わない  作者: HATENA 
第2章「覚醒者」

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第29話「露見」

 森の奥から現れたそれは、これまでのモンスターとは明らかに違っていた。


 巨体。分厚い皮膚。鈍く光る眼。


 「……外にも、こういうのが出るのか」


 詳細鑑定を発動する。


 【グラウル】


  Lv820

 ・HP:高

 ・攻撃力:高

 ・防御力:高

 ・特性:暴走/高耐久

 ・弱点:喉部(柔)


 「厄介な万能型ってやつか」


 その瞬間、軍の一人が叫ぶ。


 「全員、構えろ!!」


 銃声。


 ——ダダダダダッ!!


 弾丸がグラウルへ叩き込まれる。


 だが——


 「……効いてないな」


 弾かれる。


 ほとんどダメージが入っていない。


 「くそっ……!」


 「全然通らない!」


 グラウルが動く。


 ——ドンッ!!


 突進。


 「散開しろ!!」


 だが、遅い。


 ——ガンッ!!


 一人が吹き飛ぶ。


 「ぐあっ!!」


 「……危ないな。見捨てるのは性に合わない」


 足が勝手に動く。


 「……ガル」


 低く一声。


 ガルが駆け出す。


 「……止める」


 踏み込む。


 グラウルがこちらを見る。


 「……こっちだ」


 意識を引く。


 咆哮。


 「……うるせぇな」


 突進。


 未来視。


 「……見えてる」


 横へ。


 最小動作で回避。


 そのまま、側面へ。


 「……硬いな」


 軽く斬る。


 やはり通らない。


 「……弱点は——」


 喉。


 「……そこだ」


 だが、その前に——


 ——ドンッ!!


 腕が振られる。


 「……速い」


 受け流す。


 だが、重い。


 「……パワーもあるな」


 ガルが背後から噛みつく。


 グラウルの動きが止まる。


 「……今だ」


 踏み込む。


 「……風」


 風で位置を調整。


 「……火」


 熱で動きを鈍らせる。


 「……終わりだ」


 全力で振り抜く。


 喉へ。


 ——ザシュッ!!


 深く入る。


 「……いける」


 さらに一歩。


 「……落ちろ」


 もう一撃。


 ——バキッ!!


 喉が砕ける。


 グラウルが崩れる。


 静寂。


 「……これで終わりだ」


 その場に立つ。


 周囲。


 静まり返っている。


 「……?」


 振り返る。


 軍の連中。


 全員、こちらを見ている。


 「……あ」


 完全に見られていた。


 「……やりすぎたか?」


 一人が、ゆっくりと口を開く。


 「……今の……一人で?」


 「……まあ、一応」


 沈黙。


 重い空気。


 そして——


 「……確保だ」


 「……は?」


 銃口が一斉に向けられる。


 「その力、危険すぎる」


 「……そう来るか」


 ガルが唸る。


 「……落ち着け」


 だが、状況は明らかに敵対に傾いている。


 「……どうするか」


 逃げるか。


 戦うか。


 それとも——


 「……まずは話すか」


 その選択が、今後を大きく左右する。


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