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現実世界にダンジョンが現れたが、俺は誰にも従わない  作者: HATENA 
第6章「上位存在」

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第93話「外界」

 『侵入確認』


 静寂。


 何もない。


 だが——。


 「……全部あるな」


 空間。


 時間。


 概念。


 「……来るぞ」


 前方の“それ”。


 形はない。


 だが、その存在自体が圧になっていた。

 神崎が歯を食いしばる。


 「……息が重い」


 レオンが低く言う。


 「……干渉されている」


 「……だろうな」


 だが——。


 「……関係ねぇ」


 踏み込む。


 その瞬間。


 ——消える。


 「……っ?」


 視界が飛ぶ。


 存在が抜ける。


 自分という形が、一瞬だけ抜き取られたみたいな感覚だった。


 「……消されたか」


 だが、すぐに戻る。


 「……戻る」


 意識を固定する。


 自分が自分である一点へ、無理やり噛みつく。


 次の瞬間、復帰。


 「……効くな」


 「……でも、消えねぇ」


 “それ”がわずかに反応する。


 『保持確認』


 「……そうだ」


 在真は笑う。


 「……消えねぇ」


 踏み込む。


 距離がない。


 だが、ここまで来るとそんなことは問題にもならない。


 「……邪魔だな」


 斬る。


 「——斬る!」


 ——何も起きない。


 手応えがない。


 「……当たらねぇな」


 “それ”が動く。


 動きがないのに、確実に来ている。


 「……来てる」


 回避。


 ——遅れて衝撃。


 さらに、在真の存在の端がわずかに削られた。


 「……時間ズレか」


 「……削ってくるな」


 神崎が叫ぶ。


 「これヤバいぞ! お前、輪郭薄れてる!」


 レオンが前に出る。


 「……触れるな」


 「……ああ」


 「……触れる」


 踏み込む。


 時間のズレ。


 存在の層。


 今見えている理屈全部を、一度に読む。


 「……そこだ」


 剣を振る。


 ——ガキンッ。


 初めての衝突。


 かすかながら、確実に相手へ届いた。


 「……触れたな」


 “それ”が揺れる。


 『干渉確認』


 「……だろうな」


 笑う。


 「……まだいける」


 その瞬間、“それ”の気配が変わる。


 さらに上。


 今までよりも、もっと濃く、もっと深い圧。


 「……来るぞ」


 「……重いな」


 剣を構える。


 「……逃がさねぇ」

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