警告
ミキがマダムKに対策を報告してからさらに一ヶ月が過ぎた。S機関はずっとザグラブの動向をスパイしていたが、ザグラブ側に目立った動きは無かった。そしてこのたびやっとザグラブの作戦行動の情報を掴み、$-Duty隊は待ち伏せ作戦を決行することとなった。
林の中に五体のアサルトアーマーを隠し、ザグラブ七神将が道を通りかかったところを一気に勝負をつける腹積もりである。
「もうじきザグラブ七神将がここを通り抜けます。チャンスは一度きり、下手をすればこちらがやられます。よろしくて?ならみんな、時計を合わせましょう」
ユイが自分の腕時計を差し出すと、みんなは秒針までユイの時計へと時刻を合わせていった。このユイの時計が、作戦行動の時刻の基準となるのである。
かくして、ザグラブ七神将が林道に差し掛かると、七人のコクピットのパネルに一度に敵機のマーカーが点灯した。
「待ち伏せだ!」
$-Duty隊のアサルトアーマーは、ひとかたまりとなってザグラブの年少組3機へと向かっていく。
「いかん!」
年長組のアサルトアーマーは横に広く展開し、$-Duty隊の進路を絶とうとした。
お互いの武装の有効射程距離に入るか入らないかのギリギリの一瞬、ザグラブ年長組と$-Duty隊のアサルトアーマーが、真向かいに対面した。$-Duty隊とザグラブが丁度平行になったとき、
「スポン、スポン、スポン!」
$-Duty隊はアサルトアーマーのライフルの銃身の下にあるグレネードランチャーのトリガーに手を掛け、何かを打ち出した。そして、$-Duty隊の全機は脱兎の如く逃げ出した。
ザグラブ七神将も、何が起こったのかよく分からなかったが、よくよく機体を見てみると、年長組四人のアサルトアーマー、シンデレラ、スノーホワイト、エルサ、アリエルの四機だけが、武装とコクピットにペイント弾を撃ち込まれていた。
そしてしばらくして、年長組四人はその意味を察した。
ナカジマ隊長は唇を噛み、ミューユは奥歯をギリギリと噛み締めた。リーニャ中尉はコクピットのあちこちをぶっ叩き、モモティン少尉は身じろぎもせずずっと前を見つめていた。
「これは……」
「隊長、これは何ですの?」
年少組が怪訝な顔をして尋ねる。
「これはあいつら、$-Duty隊からの警告だ。ザグラブ七神将のエースはみんな、いつでも倒せるという意味で、ペイント弾を撃っていったんだ」
「そんな!」
「ひとまずは戻って、ナカギリ特務少将に報告だ、その上で対策を練る」
ザグラブ七神将の足取りは重かった。




