ザグラブ打倒命令
もちろん、作戦失敗でノコノコと帰って来たミキのことをただ許すマダムKではなかった。ミキは、S機関のマダムKの執務室に呼び出されていた。
「それでミキさん、あなたはどうして$-Duty隊に退却を命じたのかしら?」
執務室の木製の机にもたれかかったマダムKは、気をつけの姿勢のミキに尋ねる。
「ロケットが発射されてしもうたからには、ワイらあがどうすることもできんと思うたからじゃ」
「ならなぜミキさんは、作戦が失敗したならしたなりに、ザグラブ七神将の戦力を少しでも削ごう、と思わなかったのかしら?」
「今のワイらあの戦力では、ザグラブに対抗するのは正直難しいと思うたからじゃ」
「『青い稲妻』のミキさんらしくもない言葉ね。以前のミキさんなら、少しくらい自分に損害が出ても、敵を叩いて少しでも数を減らすことを最優先にしたんじゃなくて?」
「そこは、ワイも不思議に思うところなんじゃ。今までのワイの周りはみんな男で、手柄を競い合うライバルで、いくら死んでも替えが効くような奴らじゃ思うとった。でも、$-Duty隊のみんなは違うんじゃ。同性じゃいうんもあるし、なにより、誰ひとり欠けて欲しゅうねえ、ほんまの『仲間』じゃいう気がしたんじゃ。じゃけえ、隊に人的被害が出る前に、早う撤退を選んだんじゃ」
「……なるほど。理屈的には納得しました。だけどそれならあなたたち、ザグラブ七神将が出てくるたんびに、これからもずっと勝負を避けて逃げて過ごすつもり?そんなのは通らないでしょ?私からミキさんへの宿題として、ザグラブ七神将を破る戦法の開発を命じます。猶予期間は一ヶ月。できない場合には$-Duty隊の解散もあると思っておきなさい」
「必ず、ザグラブを圧倒する戦術を考えておきます」
ミキの返事はイエスの他になかった。




