第五話 カントリー・ロード
$-Duty隊、初の敗北
「けえつら、固えわ!」
ミキがボヤいているうちにも、ザグラブ七神将の連携攻撃は止むことが無い。
$-Duty隊は、ザグラブ七神将とキビチューオーチョーの北軍ロケット発射基地にて真正面からぶつかっていた。今回のミキ達のミッションはロケットの発射を阻止すること。ミキ達も腕に覚えのあるパイロットであったが、ザグラブ七神将のアサルトアーマーは全てベースがオガワ重工のFX200型である。$-Duty隊のアサルトアーマーに比べて、出力が高い、装甲が厚いなど、性能差は否めない。加えてザグラブ七神将は連絡を密に取っていて、付けいる隙が無い。
ミキがブルーライトニングを一歩踏み出せば、そこには敵のアサルトアーマーが待機している。すぐにもう一機が駆けつけ、一対二の不利な状況となる。
「ミキねぇ、今助けに行くぜ!」
と言うマイカのピンクゴーストも、ミューユのスノーホワイトからのライフルの牽制で足止めを食わされて動けない。
「スノーホワイトとまともにぶつかって、勝てると思うなよ!」
確かにミューユの乗ったスノーホワイトは、冴え渡るような青白い機体で、他のアサルトアーマーと比べてもなおさらのこと引き立って強そうに見える。ミキを助けようとした先にスノーホワイトが立ち塞がっていると、どうしようもない。もちろんスノーホワイトはマイカのピンクゴーストにライフル狙撃の隙を与えない。
「ピンクゴーストよりも、早いか!?」
マイカのピンクゴーストも、量産機の92式であるが、もちろんマイカは自力で徹底的にチューニングしていて、出力もミキの86式に劣らない。しかしそれでも、スノーホワイトの出力の前には圧倒されてしまう。
見かねたアサカが援護に行こうとするが、そこにはリーニャの乗るエルサが狙いすましたように立ち塞がる。リーニャの乗るエルサが辺り構わず液体窒素を噴射すれば、アサカの視界も遮られて決め手の一撃が出せない。アイリングもあと一歩のところで敵に捕まり、援護の手が及ばない。
ユイに至っては、ろくな援護もできず全く手も足も出ない。
ザグラブ七神将は、戦闘中も無線で密に連絡を取り合い、一つの有機的な戦闘システムとして動いているのだ。個人の力量で状況を打開してきた$-Duty隊とは、戦法が根本から違うのだ。
ジリジリと押されている中、発射台の大きなロケットは轟音と共に発射された。
「アハハハハ!ロケットは発射された!今回は我々の勝ちのようだな!」
ザグラブ七神将の無線に、メンバーの「おお!」と言う声が響く。
「しょうがねえ、みんな、退け!」
ミキの判断はいつになく素早かった。
$-Duty隊、初の敗北であった。




