$-Duty隊の初依頼
ミキ達5人は、グラシキシティの外れにある芸能事務所、「スペシャリティ」本社ビルの地下室へと集合していた。この芸能事務所「スペシャリティ」こそが、裏では所属のモデル達を使ってスパイ活動を行っている、マダムKを首魁とする諜報機関「S機関」の世を忍ぶ仮の姿であった。ミキ達はこの「S機関」に、アサルトアーマーの実戦部隊の傭兵としてスカウトされたのだった。
ミキたち5人が揃いの、黒地に赤いタータンチェック模様を差し色としてあしらったパイロットスーツに身を包んで並ぶ。
「マダムK、$-Duty隊5名、揃いました」
ミキがマダムKに伝えると、
「それではこれから作戦の説明をします」
マダムKは部屋の電気を消して、おもむろに壁面にスライドを映し始めた。
スライドにはミキがどこかで見た風景が映し出される。
「オキャーマシティ、グラシキシティの中間地点、ナカショー。ここにはかつてウラ部隊と言う、総勢100人程度の武装組織が居たけど、ミキさんとユイの指揮する防衛隊の活躍によって掃討された。」
「ああ、覚えとるで」ミキが呟くとマダムKは続けた。
「ところが、ウラ部隊を壊滅させただけでは話は終わらなかったのよ」
「ウラ部隊は周り中の村から、300人近くの若い女をさらって悪さをしていた。もちろんその中には拉致されていた者もいれば、すぐに村に帰された者もいた。そしてミキさん達の討伐作戦の後、全員が一旦は村へ帰された。でも、オキャーマ中央政府から彼女達には何の補償もされず、大部分の女は自分の村に帰っても差別されて、居場所がなくまた村を飛び出す者もいた」
「ひでえ話じゃのう」
「女たちは総じて不満を募らせていたが、そこに北軍が目を付けて、秘密裏に彼女らを集めて戦闘訓練を施したのよ。そして、『女ウラ部隊』として組織して、再びナカショーで武装蜂起を企んでいると言う情報をキャッチしたの」
「武装蜂起が行われるのは再来週の日曜日、「ナカショーふれあいフェスティバル」が開催されるのを狙っているらしい。$-Duty隊はナカショーへ潜入し、女ウラ部隊の武装蜂起を鎮圧するのが今回の任務」
「ちょっと待った!」
ミキがマダムKの言葉を遮る。
「せえで結局、女ウラ部隊言うなあ、総勢なんぼうくれえの人数になるんなあ?」
「北軍の訓練に応じたのは200名近く、ナカショー近辺で行方が分からなくなっているアサルトアーマーは30機程度。つまり敵アサルトアーマーは20~30機と推定される。機械整備やバックアップも考えたらアサルトアーマーに関わるのは50人程度、残り150人ほどが歩兵と考えられる。もう既にナカショーの防衛隊駐屯地や村役場と言った襲撃されそうな場所にはオキャーマ軍がアサルトアーマーを配備しているけれども、こんな戦争のご時世だからそれ以上の予備のアサルトアーマーは無い。また敵が1箇所だけでなく何箇所も同時多発的に蜂起した場合にも、軍だけでは対応の手が足りない。$-Duty隊は遊撃隊として、武装蜂起が起こったところに鎮圧にいく事になる。加えて、女ウラ部隊の連中はもう失うものが無いので、みんな死ぬ気でかかってくる事が予想される。困難な任務になると思うけれども、どうか成功させて欲しい。」




