リーニャの歯ぎしり
するとそこへ突然轟音と共に、リーニャ中尉の操縦するアサルトアーマー、オガワ重工製FX200E、コードネーム「エルサ」が二人の目の前に立ち塞がった。エルサは低温に強いアサルトアーマーで、液体窒素の大きなタンクを背負い、敵に液体窒素を吹き付け、氷漬けにして無力化する戦法が得意である。
「ナカギリ特務少将!探しましたよ!」
「白いアサルトアーマー、ザグラブ!」
アサカはナカギリ特務少将を自身の体で隠した。
「おのれそこの女、我らのナカギリ特務少将に色仕掛けとは、卑劣千万!」
リーニャ中尉が外部スピーカーで怒鳴ると、
「何言うとんねん!」
「女、そこを退いてナカギリ特務少将を返さぬと、エルサの液体窒素で氷漬けにしてくれるぞ!」
エルサの腕に着いた液体窒素放出用ノズルが、アサカの方へとジリジリと近づいてきた。
「ほう、そりゃあ面白いのう」
「私達相手に事を構えるおつもりかしら?」
「ねーちゃんには指一本触れさせへんで!」
「四人がかりで勝てるつもりか?」
エルサの真向かいには、いつの間にかミキ達$-Duty隊のアサルトアーマーが控えていた。ミキは無線で仲間を呼んでいたのだ。
「おのれ、貴様らさては例の$-Duty隊とかいう奴らか!面白い、全員撫で斬りにしてくれるわ!」
怒りに総毛立つリーニャ中尉。
しかし、ナカギリ特務少将は、アサカの肩をポンと叩く。
「今までありがとう。でも、もういいんだ」
「おっさん……」
「けどアサカちゃん、その気になったら、いつでもザグラブにおいでよ。俺は待ってるぜ」
「おっさんも、元気でな」
ナカギリ特務少将はアサカに別れを告げると、リーニャ中尉のエルサへと駆けて行った。




