アサカ、「ハナミズキ」を歌う
その後、アサカのオンステージが始まった。
アサカはギターを掻き鳴らし、前世紀の流行歌、「ハナミズキ」を歌い出した。
「素敵な歌だね、これは何という歌なんだい?」
「この歌、ええやろ?前世紀の歌でな、『ハナミズキ』言う歌や。この歌のええところはな、『君と僕が100年続きますように』やないねん。あくまで、『君と好きな人が』100年続きますようにいうところやねん。自分のことはさて置いて、『君と好きな人が』言うて、相手の気持ちを100年単位で優先する、雄大な恋の歌や」
「そうなんだ、素晴らしい歌だな」
「……それでおっさん、これからどうするつもりや?なんならうちらで仕事紹介するで?」
「ああ、もしかしたら仲間が私を探しに来るやもしれない」
「仲間がおるんか?」
「ああ、ちょっと抜け出してみるつもりが、このザマさ」
「なら、帰った方がええな」
「だが、アサカちゃん、君のことを是非とも仲間に紹介したい」
「ええ!」
「そして出来たら、私らの新しい仲間になって欲しい。君にはその素質がある」
「あんた、どうも只者ではないようやな」
「私は北ぐ……」
言いかけたナカギリ特務少将に、
「待った!」
「そこから先は、聞かんとくわ。それがお互いのためやろ?」
「なら、いつか礼がしたい。住所を教えてくれ」
「グラシキシティの芸能事務所、スペシャリティ宛に贈ってくれたらええで、ちなみにうちはビトンのバッグがええわ!」
「ええっ!」
「冗談に決まってるやないか!」
アサカは高らかに笑っていた。




