マイカ、ピンチ
そして時計の針は戻り、ジャンクオフ帰りのマイカは何者かに追われていた。
マイカもいつもならコルトM1911マイカスペシャルを携帯しているのだが、今回はアイドル仕事のため、家に置いてきてしまった。今のマイカは丸腰である。
おまけに追手も、どこかで聞いたことのある声がしている。ファンがストーカー化している。そうマイカが気付くまで時間はかからなかった。
マイカがこの連中を学んだ戦闘技術の徒手空拳でKOすることは容易い。しかしそれは、マイカが戦闘訓練を受けたプロフェッショナルであることを示し、それをファン界隈に広めることを意味する。
(しょうがねえ、ここは捕まっとくか)
マイカはミキに携帯を繋ぎ、ワン切りにして追う相手に向き直った。
「すいませんマイカさん、乱暴はしたくないんです、ついてきてください」
昼にマイカが話を一方的に聞かされたバーコード頭の中年男性は、手にグロックを構えていた。
「カッパさん、なんでこんなことするの?マイカ信じられない!」
マイカは渾身の慈悲の心を絞り出して、カッパさんと言うバーコード頭の中年男性に声をかけた。
「私は人生賭けてるんです。分かって下さい、マイカさん!」
「私に銃を向けて、なんとするんです?」
「マイカさん、どうか私の、私の思いを遂げさせて下さい!」
カッパさん、と呼ばれた中年男性は我を忘れてマイカにむしゃぶりつく。
「嫌!カッパさん、やめて!」
マイカを組み敷いたカッパさんの拳銃を、横から奪い取る手が伸びた。
「そこまでじゃ」
そこには片手にデザートイーグルを構えたミキの姿があった。
「カッパさん、あんた出禁じゃのう」
ミキのデザートイーグルがズドンと重く鳴った。
「……!」
この様子を物陰からのぞいていたマイトガイの部下の若い男にも、横からヤマザキ姉妹のコルトが突きつけられていた。
「お兄さん、デバガメとはええ趣味しとおなあ、うちらについてきてもらうで」
「ミキねぇ、来てくれたんだな!」
半べそをかきながら喜ぶマイカに
「マイカ、怖かったか?」
「ちょっとだけ。でも、絶対ミキねぇが来てくれると信じてた」
ミキはマイカをぐっと抱きしめた。
「今度はワイらぁがカチコミかける番じゃ!」




