叱責ののちには?
それより、しばらく時計の針を戻す。
北軍ザグラブのミューユは、ザグラブのリーダー、マオ・ナカジマ大尉の部屋へと呼ばれていた。
「ミューユ少尉、貴官、なんでも南軍の傭兵部隊にずいぶんと執着しておるようだが?」
「はい、その通りであります」
「そうか、ならば貴官に、良いニュースと悪いニュースを伝えよう。どちらから聞きたい?」
「では……悪いニュースから」
「よろしい」
ナカジマ大尉はミューユの真正面に向き直る。
「歯を食いしばれ!」
ナカジマ大尉はミューユに派手なビンタを見舞った。
「貴様!今ここでザグラブの誓いを言ってみろ!」
「はい、『我々は選ばれし者による、自由と正義を旨とする軍団であり、その活動を以て優良人種としての素質を涵養することをここに誓う!』」
「そうだ。我々ザグラブは、自由と正義を旨とする軍団であり、本来の目的はその素質の涵養にある!それを貴様はなにか!ザグラブの戦力は貴様の個人的復讐のためにあるのではない!それが分からぬものに、ザグラブの一員である資格は無いものと思え!」
「はっ!このミューユ、肝に銘じます」
「よろしい……では、『良いニュース』を教えよう」
「はい?」
「貴官の言う『$-Duty』とかいう傭兵部隊の情報は、北軍情報部処理班に流した。貴官は指一本動かすことなく、連中はアサヒ川のシャコの餌となるであろう。まずは吉報を待て」
「ありがとうございます!」
「乱暴な真似をして済まなかった。許せよ」
「はい!」
ナカジマ大尉はミューユに近づき、固く抱きしめた。ナカジマ大尉の身体の暖かさが、ミューユにも伝わってきた。




