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ナルシスト、希望を手に入れる

ヨウの拳が爆弾のように炸裂し、色欲の身体は全身が抉れ、再生速度が遅くなる。


「こっからは……てめぇらが決めろよ……」


ヨウは全ての力を使い果たしたのか、その場に倒れ込む。


――油断した!!!


色欲は全MPを再生に集中させるが、ヤナギ達はそれを逃さず、攻撃を放ち続ける。

ミラ素早く杖を構え、ヤナギ達に強化を与え、攻撃の威力を増加させる。


「【爆裂する闇(バーストシャドウ)】!!!」


「ファイア!!サンダー!!」


「【防御回転刃(バリアーカッター)】!!!」


三人の攻撃が、一気に迫り来る。

色欲はそれを真正面から受け、全身の皮が剥がれ肉を露出させる。

攻撃をお構えなしに再生を続ける色欲。


「ヨウが繋げてくれた希望……ここで終わらせてたまるか!!」


ヤナギは色欲が再生するよりも早く攻撃を放つ。

魔法を纏った一撃は、弱った色欲を削るのには充分だった。


「邪魔を……しないでもらえる!!!!」


色欲は掻きむしるかのように腕を振り回す。

我武者羅な攻撃。

それでも七囚人。

力の差は歴然、ヤナギは攻撃の手が緩む。


「これしきの……事で!!!」


ヤナギは素早く体勢を整え、攻撃の手を早くする。

レインは援護をするように防御魔法を展開し、ヤナギのことを守る。

後ろからハノの魔法が放たれ、色欲はどんどんと追い込まれる。


――なにか……なにか……!!!


色欲は頭の中を整理する。

引き出しを開け続け、勝利の道を探す。

だが、開けても開けても、出てくるものは、ない。

何個も開けているうちに、ひとつの考えが浮かぶ。


――怪物の破片……!


色欲が選んだものは、怪物の吸収。

街中に触手を血管のように放ち、イータが殺した怪物の破片を吸収し始まる。

イータは全てを燃やしていたが、焦っていたのか、それでも少しの破片は残ってしまっていた。

微量の破片だったが、再生には充分だったのか、どんどんと身体が再生し始める。


「こいつ……止めろ!!伸ばした触手を全部切り落とせ!!」


レインとハノとミラは言われた通りに触手を切り落とす。

それらは簡単に切り落とせたが、量が数えられないほど多く、全てを落とすのは不可能と言えた。


「切り落とすのが無理なら……全部、遮断してやるよ!!」


レインが防御魔法を展開する。

わざと、触手を巻き込むように展開することにより、防御魔法に巻き込まれた触手たちが分断され、色欲の再生が遅くなる。


「賭けだったが……できたか……おい、ヤナギ!作戦はあるのか!!」


「あるさ……殴り続けると言うな!!!」


その間に攻撃を続けていたヤナギ。

確かに再生は遅くなっているが、それでも元の姿に近づいてくる。


「クソ……なにか、なにか方法は……!!」


ヤナギが悔しそうに呟くと、ハノが何かを思い出したかのようなポーションを飲み始める。


「色欲は、再生する時にMPを消費します。そして、ただ切り落とすより、燃やしたりして原型を留めていない時は、消費MPが多くなります!!」


「つまり、俺が剥がしてそれをハノが燃やすということだな……実に効率的――」


「いえ、そうではなく、叩くなら……」


ハノは回復しMPを全て消費する勢いで、魔法を唱え始める。


「本体……ですよね!!」


ハノの持つ杖に魔法陣が展開される。

二重、三重、とどんどんと重なる。

色欲は危機を感じ取り、ハノへと触手を伸ばす。

レインが防御魔法を展開する間がなく、身体で受け止める。

それはレインの肺を直撃し、呼吸することができなくなり、その場にうずくまる。


「……【地獄の炎(ヘルフレイム)】!!!」


巨大な火球が現れ、色欲の包む。

寸前で防御の構えをとり、色欲の身体が黄金に光る。

街を覆うような炎が散らばるが、色欲はまだ、形を保っている。


「これでも……足りないの……」


「残念!!!!まだ五回、フルで残っているのよ!!!!これで、私の勝ち――」


「いや、まだだ」


いつの間にかヤナギは高く飛び上がっており、その拳は黄金に光り、風を起こしている。


「今の俺の見た目は……完璧な状態、さあ?お前は、どう巻き返す?」


色欲の顔が、初めて大きく歪む。


「まあ、無理だろうが」


ヤナギは拳の力を強め、天高く拳をあげる。


「消えろ」


「ビューティフル……アタック!!!!!!!」


辺りを、激しい光が包む。

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