殺し合い
「……はは、こりゃいい!!!」
ヨウは大きく笑いながら戦闘をしている。
対する色欲も、戦闘を楽しむように動いている。
「こんな力が、俺にあるとはよ……!普段こんな死に近いこともねぇ!!!!」
「無邪気ね。でも、そういう子も好きよ!!」
大剣と拳が交差する。
火花を放ちながらぶつかり合う。
何回も、何回も。
金属同士がぶつかっているかのような音が響く。
大剣が何度も色欲の身体を切り裂くが、すぐに再生し、顔面に拳を放つ。
ヨウは色欲の脚を切り取り、上から大剣の平らな部分で叩き潰すが、すぐにパーツが虫のように蠢き、色欲は再生する。
その場の温度が急上昇しているのかわかる。
お互いに血や液体を身体から吹き出しながら戦っているため、辺りには嫌な匂いが漂う。
ヨウと色欲は、お互いに楽しみながら戦闘を続ける。
「……どう頑張ってもついてけんな……とりあえず、ミラ、強化をヨウにしてやれ」
「したい気持ちでいっぱいなんだけど……狙いが難しいの!」
「マジで、俺達はついていけねぇ戦いなわけだ」
「……なにか、ないでしょうか……」
悩んでいても、時は残酷に進む。
現に、もう二十秒がすぎている。
それでもヨウは、口の中に血が入り、血の味を味わいながらも戦闘し続ける。
攻撃を受ける度、ヨウの一撃は鋭くなり、重くなる。
色欲はその攻撃を正面から受けながらも、笑顔で再生する。
大剣が色欲の頬を掠る。
色欲の拳がヨウの頬を掠る。
お互いに一歩も引かない戦い。
「ハハハハハ!!!!!マジで楽しいぜ!!!!全力の戦い……!!!」
「楽しむのはいいのだけれど、時間も気にしないとよ?」
「ご丁寧に、ありがとよ!!!」
ヨウは大剣を空に投げ、それに気を取られた色欲の目を抉りとり、顔面を両手で握りつぶす。
心臓に全力で蹴りを放ち、心臓を潰す。
落ちてきた大剣を掴むと、塵すら残さない勢いで何回も色欲を切り裂く。
大剣には、血と緑の液体がびっしりと張り付いている。
ヨウは血液不足で、少しよろめく。
「残念だけど……私はそんなんじゃ死なないわよ?」
「はは、効いてるふりでもしてくれりゃいいんだがな……」
一瞬、戦闘の勢いが消える。
その瞬間を逃さず、レインは色欲を防御魔法で囲む。
「獣人!!今だ!!」
ヨウはすぐに体勢を整え、色欲に向かって走り出す。
高く飛び上がり、防御魔法を破壊する勢いで大剣を振り下ろす。
防御魔法は寸前で解除され、大剣は勢いを落とさずに色欲の脳天を切り裂く。
大剣は色欲の上から下まで真っ二つになる。
そこにハノが素早く全力の魔法を何度も何度も、MPが切れるまで叩き込む。
色欲は、右目ひとつになる。
「はぁ……はぁ……ッ!!!」
不死の光の効果が切れたのか、ヨウはその場に倒れ込む。すぐにポーションをかけ、遠くに避難させる。
レインは防御魔法で右目を囲み、再生を防ぐ。
段々と、目は塵になっていく。
すぐに完全な塵となり、魔法を解く。
「……ありがと♡」
色欲の声が聞こえる。
人を嘲笑うかのような声。
塵同士が、どんどんと集まり始める。
そして、人の形に成り始める。
「残念、あと少し待てば勝ってたのに。再生に必要なMPがそこを着く寸前よ」
「冗談きついぜ……」




